『少女』を読む。
湊かなえ/早川書房 ★★☆☆☆
前作の『告白』がめちゃくちゃ面白かったので期待して読む。
読み始めてチョットすると、この作家さんはこーいった変化球が好きなんだなぁ、としみじみ。
あたしがこんな軽い印象で言及するには作者に失礼だとは思いますが。
あたしもこーゆぅ手法は好き。とても。好きだからこそ。
天邪鬼?異端児?仕掛け人?
どれもホメ言葉として受け取って頂けそうな気がする方だと思う。勝手に。
前作『告白』の作風にはホントに度肝をぬかれ、ドキドキして休む間も持てずに1晩で読了した。
あれがデビュー作だなんて信じられなかった。
けっこー若いんですよね、湊さんって。
『告白』の印象からすると、それも意外で。
『少女』は、慣れるまで少々混乱しますが、次第にそれが楽しくなっていきます。
2人の少女のすれ違う想いは切なくも微笑ましかったりしました。
ネタ自体は決して微笑ましくはないのですが・・・
全体を通して強く感じたことは。
全てのピースが綺麗に収まりすぎ、ってこと。
ほとんど読んでて予測できちゃったのが残念でした。
計算して、出した材料全てを上手に調理したんでしょうが、
かえってそれがスケールを小さくさせた気すらしました。
それでも、どう結ぶかが気になったからラストまで読めたのも事実。
『告白』の完成度が非常に高かったので、こっぷの中に過度な期待があったのも事実。
次作も必ず読むと思います。
『ガール』を読む。
奥田英朗/講談社 ★★★★☆
5人の働く女性たちの物語。短編×5。
女性で、働いていて、この2つのキーワードだけで、キット共感できるモノがあるはず。
それぞれ境遇や抱えているモノは違えど、
この本に登場する女性たちのような焦りや不安は少なからず誰もが抱えているはず。
まぁ、本編は一般的よりイイ会社でイイ給料を貰ってイイ生活をしている女性ばっかりなんだけどね。
そこを抜かして“職場での一女性”として読めばとてもおもしろい。
特に『ヒロくん』に登場する武田聖子がとても好きだった。
異例の抜擢人事で入社14年目の聖子は課長に任命される。
上も下も気にしなくちゃいけない、嫌でも周りからの目に息む・・・
同僚と食事に行った時の会計の悩みはよくわかる!
年上の部下もやりづらい・・・
あんたも嫌でしょうが、あたしだって嫌なんだよ!ってね。
ラストの聖子のプッツンはカッコよくて可愛くって、こっぷもつんときた。
ヒロくんがヒロくんでよかったね。
読了後ほのぼのしました。
『断絶』を読む。
堂場瞬一/中央公論新社 ★★☆☆☆
読了後、素で感じる不完全燃焼さ。
おもしろさとタルさが交互にやってくる。
事件を追う石神刑事の物語と引退間近の剱持大物代議士の物語の群像劇で、
冒頭に起きた身元不明の死体によってこの2人が結びつく…
っちゅーストーリー展開なのはすぐに分かるんだけど
死体があがるっての以外、これという事件がなかなか起きないんです…
剱持代議士の部分がタルい、タルい!
ヒント?というかぁ答えはバンバコばらまいてるから
ストーリーは見えてるのに決定的な描写はないのね。
“あのことだけは隠さねば”とか
“あの件については手をうった”とか、
何かはあるんだけど、その何かはハッキリ見せないっつー
フワフワした手法がまどろっこしくてしょーがなかった!
なんとか、無理やり、「どーやって結ぶんだろーなー」という期待を維持させて進んでいくしかなかった。
でも石神刑事の話はおもしろい!
刑事の執念、彼の人生の境遇、職場の立場、その中で得た後輩―
要素の一つ一つが石神刑事を人間くさくしてました◎
特にラストの大詰めではページを繰る手が止まらなかった。
ま、その為には剣持の存在も不可欠なんだけど。
でも久しぶりに大作っぽい長編が読めて楽しかったかな。


