静寂。朝の海岸を2人で散歩。聴こえるのは,耳元を霞める風の音と宙(そら)を舞う鳥の声。そして,頬を押しあてた胸の鼓動だけ・・・。少しだけ世間の雑音から離れ,穏やかな時間(とき)を過ごす。たとえ世界の果てに逃げたとしても,ネットから携帯から視たくない,聞きたくない情報は追いかけてくる。私は・・・疲れて傷ついた彼が,少しでも休める場所になれればいい。でも・・・本音を言えば,彼が傷つかないようにこの世界から隠してしまいたい。鼓動だけしか聴こえない2人きりの世界へ・・・。