義経秘伝の舞台が迫るにつれ,私の中で燻り続けていた物語が動き始めました。

義経,ショウ,CLAYMORE・・・現在,過去,未来に繋がる一連の物語。

それは・・・
人間と魔族の,愛と憎しみの物語。
愛する者,友,血族を選ばず,永遠に繰り返される哀しき血の運命(さだめ)。

その物語の原点(はじまり)が,ここに在る。

そう。
日本最古の物語である『竹取物語』
これこそが,種の起源を記した真実の書である。

それでは,お見せしよう。
もうひとつの竹取物語。
~KA・GU・YA~


~プロローグ~

今は昔。

暗闇が広がる竹林の一隅に,静寂を切り裂くが如き,一筋の閃光が放たれた。

心の臓に響きし地割れの音に畏れを為した民が,暗闇で息を秘そめる中。

たったひとり。
閃(ひかり)の堕ちた場所へ歩む男がいた。

閃光の堕ちた竹林では,辺りに月の雫石が舞い散り,未だ墜落の衝撃を物語っていた。

ふと。
暗闇と月の雫石の狭間に,透き通らんばかりの白肌が浮かびあがる。

つと起きあがった女体は,この世にふたつと例えることが叶わぬほどの輝きを放っていた。

艶やかな長い黒髪,強い意志を表す眉。
心を見透すような蒼き瞳。
人を誘い,惑わせる深紅の唇。
指先が蠢くほどに空気を震わせる,揚羽蝶の羽ばたきにも似た芳香。

「お前が翁か。」
鈴の音のような透き通る声で,女が囁く。

翁と呼ばれた男は,ついと女に歩みより,かしづいた。
「我らが姫,伽倶弥よ。ようこそ地上へ。」

そう。
彼女の名は伽倶弥(かぐや)。
月の魔族『ヴァンパイア』
最期の姫。

今宵語られるは,月からの使者を愛した人間の男と,愛に溺れし魔族との哀しくも壮絶な愛の物語である。

と同時に,永遠に終わることのない,人間と魔族との憎しみに満ちた闘いのはじまりでもあった。

~プロローグ~ 完


追伸
ヴァンパイアの起源は,実は平安時代の日本だった。
月からの使者,かぐや姫(魔族)と人間の男の愛の末,人間と魔族の混血種が生まれ堕ちた。
その日から,人間と魔族との間で,種をめぐっての壮絶な争いが始まった。

・・・という物語が見えました。
これから,ゆっくり私の物語を綴ってゆければと,想います。

GACKTさんの脚本,楽しみにしています(*^^*)

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