昨今というか、かなり前から少子化が進んでいます。
当然、塾業界は子供相手の商売なので、恐ろしいまでに影響を受けています。
一昔前は、中学受験の教室長になるだけで年収1千万など、結構なお金を稼げる商売だったようですが、今は全然そんなことありません。
この先、子供が減っていくことはわかっているのですから、
会社側は、先を見据えた給料減額を図ってきます。
「塾講師なんかに高い給料払えるわけないだろう」が実際に聞いたことがあるトップの本音です。
(この発言は、業界で最高峰のレベルと歴史を誇る有名な某予備校のNo.2の人が言ってました)
でも講師で優秀な人材が欲しいので、最初は高めに設定している塾は多いですが、給料の伸びは横ばいか上がっても雀の涙。
教室長になっても、ヒラの講師と比べて手当が8千円上積みされるだけのところもありました。
バイトの募集も一コマいくらでそこそこの時給に感じますが、そんなに仕事は多くありません。
塾でバイトするより、牛丼屋のバイトを近場でやっておいた方が、食事代も浮くし長時間働けるしで安定します。
問題は少子化だけではありません。
ICTが発達したおかげで、長年かけて研究し、やっとこさ編み出した受験テクニックなんかは、ただでyoutubeに流されてしまいます。
市販の教材も良いものが出揃っています。塾や予備校が作ったオリジナル教材はありがたく見えますが、市販のものと同等かそれ以下のものが殆どです。
そう、今や完全に斜陽産業なってしまったのが塾業界なのです。
中学受験は、扱う内容の難しさと教える生徒のレベルギャップが激しいので、教えるのにかなりの手間がかかることを考えると、最後まで生き残るかなと予想していますが、規模縮小は避けられません。
元塾講師の私から見れば、教室に充満している「勉強をしなければならない」という空気こそ子供を勉強に向かわせますし、映像授業を見ても理解できない生徒には瞬時にしかも適切に対応できる講師が必要なので、塾は大事だと思います。
しかし、その為にyoutubeと同等の質の講義と市販のもの以下の教材に高いお金を支払うのはちょっと…、と親は思いますよね。
そうして、今伸びているのが、最も稼ぐのが難しい個別指導教室です。
中高生対象の個別指導は、稼ぐために素人の大学生が詐欺同然でやっていることが多いですが、中学受験はそうもいきません。
プロの講師が、格安で個別指導している悲しい姿を何度も見ました。
生徒が少なくなって錯乱でもしたのか、1時間2千円で募集している小さな中学受験塾も見ました。
ちなみに1時間2千円で会社にも抜かれることを考えると、どれだけ授業を入れても月収25万円を超えるのは厳しいでしょう。
マイナス要素を考えると、悲しくなってきますが、それが現実です。
今後、塾のあり方そのものを変えてブルーオーシャンに飛び出せたりできればV字回復もあるでしょうが、正直そんな斬新なアイデアは、私には思いつきません。相当難しいと思います。
私の仲間の中高年の塾講師には、なんとか会社が潰れずに定年までもってくれと願うばかりです。