愛知県の中学受験は、首都圏や関西圏と比較すると受験率は高くありません。しかし一部の学校に志願者が集中する構造があり、「少数精鋭型の市場」といえます。

本記事では愛知県の中学受験の全体構造を整理します。個別校の優劣を論じるのではなく、学校群の配置、規模、進学実績の見方を明確にすることが目的です。


1.愛知県中学受験の市場構造

愛知県の私立中学校は名古屋市および尾張地区に集中しています。主な進学校型中高一貫校は以下の通りです。

  • 東海中学校
  • 南山中学校女子部
  • 滝中学校
  • 名古屋中学校
  • 愛知淑徳中学校
  • 南山中学校男子部
  • 愛知中学校

愛知県では、男子校の存在感が大きい一方、女子最難関校も明確に存在します。男女別構造がはっきりしている点が特徴です。


2.レベル帯による層構造

偏差値帯・合格者層の分布から見ると、愛知県の中学受験は大きく次のように整理できます。

男子最上位帯

  • 東海

男子上位帯

  • 名古屋
  • 南山男子部

女子最上位帯

  • 南山女子部

女子上位帯

  • 愛知淑徳

中堅~

  • 愛知
  • 愛工大名電
  • 金城学院
  • 中部大春日丘
  • 椙山女学園

 

 

※偏差値は年度や模試母集団により変動します。本記事は相対的位置づけの整理を目的としています。


3.南山の男女別構造

南山中学校は男女別募集を行っています。

  • 女子部は県内女子最難関層
  • 男子部は中堅〜準上位帯

この男女差は進学実績の傾向にも影響します。女子部は難関国公立大への進学率が安定しており、男子部は幅広い大学進学先を持つ構造です。

男女別に分けて分析しなければ、実態を正しく把握できません。


4.学年規模という重要指標

進学実績を見る際、最も重要なのは「割合」です。

例えば:

  • 学年400人規模で東大20人 → 5%
  • 学年200人規模で東大15人 → 7.5%

合格者数だけでは比較になりません。

今後本ブログでは原則として

合格者数 ÷ 学年人数

を基本指標とします。

学年規模は学校により大きく異なります。規模差を無視した議論は構造理解を誤らせます。

それとともに、中間一貫校においては内部進学者と高校からの進学者との間には、進度の差が明確にあることからできる限り分けて進学実績を考察したいと思います。


5.公立トップ校との二極構造

愛知県の大きな特徴は、高校受験が依然として強いことです。

特に

  • 旭丘高等学校
  • 岡崎高等学校

は県内最上位の公立高校として存在感があります。

進路は大きく二つに分かれます。

① 中学受験 → 中高一貫6年間
② 高校受験 → 公立トップ校3年間

この二つは教育環境も学習進度も異なります。

今後の記事では、

  • 東大合格率
  • 京大合格率
  • 国公立医学部現役率

を用いて、両ルートの構造比較を行います。


6.医学部志望という観点

愛知県の中学受験では、医学部志望層が一定数存在します。

男子校は理系比率が高い傾向にあり、医学部志望者の割合も比較的高い傾向があります。一方、共学校や女子校では志望分野が分散する傾向があります。

ただし重要なのは、

  • 医学部合格数
  • 国公立医学部比率
  • 現役率

の三点です。

単純な人数ではなく、「学年に対する割合」で見る必要があります。


7.併願構造

愛知県の併願は比較的明確です。

  • 東海受験層は名古屋・滝を併願
  • 南山女子部受験層は愛知淑徳などを併願
  • 上位校と中堅校の併願ラインは偏差値帯に沿っている

この併願構造を理解すると、学校の位置づけがより明確になります。


8.愛知県中学受験の特徴まとめ

・学校数は多くない
・高校受験ルートが強い
・学年規模差が大きい

中学受験を考える際、重要なのは「学校名」ではなく「構造理解」です。

本シリーズでは次回以降、

  • 偏差値帯一覧
  • 東大合格率ランキング
  • 国公立医学部現役率ランキング

などを、割合と推移を用いて整理していきます。


次回予告

「愛知県私立中学 偏差値帯一覧2026」

偏差値帯別に整理し、併願パターンも含めて分析します。