こんにちは、総務部のサモエドです。
本日の質問です。
社内での引越し作業中に指をケガしたんだけど、労災になるの?
20代社員のホカゲさんからの質問です。
下記の順でお答えします。
1 労災の適用基準
2 申請は労働者の権利
3 なかなか労災申請しにくい理由
20代社員のホカゲさん。
社内での部署移動の際、机を運ぶときに指をはさみ、ケガをしました。
直接業務と関係ないので、会社に言うか迷っていたようです。
まず、大前提としまして、社内でのケガは、ほとんどが労災適用されます。
自己負担ゼロで治療できるので、遠慮せずに総務に報告してください。
労災の適用基準ですが、2つの基準があります。
業務遂行性と業務起因性 の2つです。
遂行性とは仕事を達成する過程のことで、業務中に起きたかどうかということです。
起因性とは業務と因果関係があるかどうかということで、ケガや病気の原因が仕事にあるのかどうかということです。
結果的には故意でない限りはほぼ労災適用になります。
労働災害の大まかなパターンとしては次の4つにわけられます。
労災事故の発生原因と責任の所在の4パターン
1 被災した本人に全く過失がない場合。
2 被災した本人にも、会社側にも過失がある場合。
3 被災した本人だけに過失がある。本人のうっかりミスの場合とかです。
4 被災者本人が故意に(わざと)怪我をする場合。
大まかにこんな4パターンだと思います。
基本的には、4の故意以外はすべて労災適用になります。
何気ない作業で軽いケガをした場合、これ本当に労災保険が使えるのかな?って迷われるケースというのは出てくるかと思います。
結果的にいろいろ考えてしまい、健康保険で自費治療されるケースが多いです。
労災保険は会社が加入して保険料すべて会社負担なのですが、申請は労働者の権利です。
遠慮することなく総務に報告してもらえれば、総務から労働基準監督署に確認して申請を上げますので、労災保険での治療をしてほしいものです。
労災申請して、仮に労災適用されなかったとしても、会社としては何の問題はありません。
基本的には、故意の怪我や業務に全く関係ないことでなければ、ほとんどが労災認定されます。
もしも労災認定が認められなかったとしたら、治療費云々はそのあとで所定の手続きをすれば、最終的には通常の自己負担3割の支払いになります。
その間に自己負担額を払わなければなりませんが、きちんと戻ってきます。
病院への行き方や手続き関係について
自己負担なく治療するには労災指定病院で治療するのが一番です。
最初から治療費がかかりません。
(一部、預り金をとるケースもあります)
指定病院以外の場合は、しばらくの間10割負担での治療になります。
手続きは総務から必要書類を渡し、記入事項を書いてもらえれば、
総務から労基署に申請します。
労基署の印鑑が付いた申請書を次の治療時に病院に渡せば手続きは終了です。
3 なかなか労災申請しにくい理由
なんとなく、会社員の間では労災保険に対する壁があります。
なぜなのでしょうか?
主に下記の4点が影響しているのではないでしょうか。
1 手続きが大変そう。
2 労基署の立ち入り検査が入るんじゃないの?と
3 労災保険料が上がる?
4 会社のイメージがダウン。
1 手続きが大変そう。 → 簡単です。
2 労基署の立ち入り検査が入る? → よほど大きな事故でない限り入りませんが、あまりにも多いと入る可能性はあります。
ですが、労働基準法に違反することがなければ問題ありません。
3 労災保険料が上がる? → メリット制を使っていると保険料の上下はありますが、治療費に連動しますので小さなケガではほとんど影響しません。
4 会社のイメージがダウンする → ニュースになるような事故でない限り、誰にも知られません。
迷わず労災申請することをおすすめします。
ご視聴ありがとうございました、総務部