財政出動をバンバンやれば・・・という罠 | rxtypeのブログ since 2012

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日本経済の一番の問題はデフレ予想です。

仮に消費税を増税したって、そのデフレ効果を上回る大型の財政出動をやれば、「倍返し、いや10倍返しだ」となるでしょう。(link)

   

・・・などという人がいます。あるいは、

これから、多少[無いと思いますが]実質金利高、円高になるかもしれませんが、財政出動をバンバンやって、現金を世の中に回しますので儲けてください。」の方が、国としての方向性は正しいのではないか


という人もいます。しかし、こういう考えは問題です。
 後者のかたは「実質金利高、円高になるかもしれませんが」と書いていますが、この影響度を考えてみましょう。
 GDPのうち、民間消費がおよそ75%を占めます。GDPを500兆円とすると375兆円です。ゼロ金利の昨今、実質金利高はデフレ(期待)とほぼイコールです。デフレはこの375兆円分に対して、毎年強いマイナスの影響を与えます。
 デフレでなぜ消費が減るのか。今、消費税の駆け込み需要の反動減が起きていますが、これと同じです。値段が将来下がると思えば買い控えるし、将来上がると思えば、積極的に買うわけです。これこそリフレ派の言う「期待」そのものです。
 GDPの75%(375兆円)に買い控えの影響が及んだら、日本経済どうなりますか?消費税も同様です。消費税増税では民間が使えるお金が直接的に減るので大きなマイナスです。これらの巨大なマイナスの影響を「財政出動をバンバンやって」埋めるなどというのは到底不可能です。焼け石に水です。

 その上、財政出動をする際には財務省官僚やその族議員は、間違いなくその裏付けとなる「財源」を求めます。その端的なものは近い将来の(更なる)消費税増税です。あるいは、他の部分での歳出削減。結局、財政出動をバンバンやってもそれらで相殺されてしまうわけで、プラスマイナスゼロ。

で、75%の民間に対する大きな需要の減少だけが残る。


こうやって、20年近くデフレが続いてきたのです。

 この罠はハムスターホイール(回し車)の中で永遠に走り続けるハムスターのような状態と言えばいいでしょうか。
ハムスターホイール
とっとと、ここから降りましょう。

 そのためには、まずは日銀に仕事をさせればいいのです。そして、税制改正による所得再分配をしましょう。税制改正による所得再分配は、消費性向の低いお金持ちから消費性向の高い中低所得者に分配することで、全体の消費を上げ、経済パフォーマンスを向上することができます。こういう意味での財政出動なら賛成です。


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