三橋氏はドミナントストーリーを否定的な意味で使っています。
三橋氏ブログ「ドミナントストーリー(優先される物語)」より
--------引用ここから--------
すなわち、自動車数当たりの道路延長距離(国際的な指標)が主要国最低であるにも関わらず、
「日本は衰退する。財政は破綻する。公共投資は無駄。道路は作り過ぎだ」
というドミナントストーリーが、まず存在し、それを覆す「自動車数当たりの道路延長距離」は目に入らず、懸命に「道路は作り過ぎ」を補強するデータを探し、何とか「可住地面積あたりの道路延長」を見つけ出した結果、ホッとする、というわけです。
(中略)
ちなみに、藤井氏の仰るドミナントストーリーの持ち主は、三橋の言う「絶対的価値観の持ち主」と同じです。
--------引用ここまで--------
こんなことを書いてますが、三橋氏自身が「公共事業が一番」というドミナントストーリーの持ち主であり、絶対的価値観の持ち主でしょう。
こちらの記事
三橋貴明の新日本経済新聞「【三橋貴明】2014年の焦点」より
--------引用ここから--------
増えているのは主に非正規雇用です。非正規雇用の方が、
「将来に安心感を持ち、リスクを承知で消費や投資を拡大する」
とは思えませんので、「正規雇用」が増えた場合に比べると、中長期的な民間需要は拡大しにくいでしょう。
--------引用ここまで--------
金融緩和をしたアメリカや安倍政権以降の日本の失業率が継続的に低下している(*1)という事実を見なかったことにして、今度は、「増えているのは正規雇用だけだー」とか、「格差問題は解決できていないー」とか、煙幕を張って、公共事業というドミナントストーリーに合うストーリーだけを必死に探している印象です。
定番の比較対象、小渕政権時代(1998-1999)にジニ係数は改善されたのでしょうか?(写真1)

公共事業推移の推移(写真2)も併せてご覧ください。

あれ?
公共事業を盛んにやっていたときにもジニ係数が悪化してますが?
むしろ、悪化度合いが酷い。
てゆうか、失業していた人が非正規雇用として職を得たら、ジニ係数はどうなりますか?当然、改善するはずですね。
最近の彼の論理に整合性が感じられません。
左翼(表向きは保守)に取り込まれておかしくなったのかもしれません。
なお、所得再配分で補正した後のジニ係数は全然悪化していません。(*2)
これはどういうことでしょうか?
名目の格差が広がっても所得再配分すれば問題ないということです。
だから税制や社会保障が大事なのです。
そして、全体の失業率を改善させる金融政策は依然有効。
公共事業を経済的理由にするなら、所得再配分に繋がる公共事業をどんどんやればいい。
西部邁グループの意見以外は「見えない聞こえない」(*3)三橋氏。
彼らのようにドミナントストーリーだけに目を奪われて大事なことを見失わないようにしたいですね。
*1 労働力調査(基本集計) 平成25年(2013年)11月分 (2013年12月27日公表)
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/
*2 独立行政法人労働政策研究・研修機構「最近の統計調査より(PDF:392KB)」
http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2013/12/066-068.pdf
*3 拙ブログ記事「三橋氏が編集長の新日本経済新聞」
http://ameblo.jp/typexr/entry-11720831558.html
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