高校生クイズと高校生ラップ選手権の二冠を狙っているボクからすると見逃すことはできないだろう。
でも、シス単をしなければいけない。
(1日100コ単語を覚えると言うルールを冬休みの目標として定めたのである。)
もう、いやだ。
一生懸命100コ単語を覚えても、
次の日には新たな100コの波が襲いかかってくるのだ。
この波には逆らえない。
どうすればいいのか。
「乗るしかない このビッグウェーブに」
と言える状況でもない。
別にiPhoneが欲しいわけでもないから。
シス単に追われているだけだから。
流れるプールなのだ。
ボクが置かれている状況は。
波(ビッグウェーブ)に逆らってプールを一周したとしても、ボクの意思が、
「はい。もう一周がんばって!」と言う。
この流れるプールを止めるための方法はひとつしかない。
そう、流れの動力源を止めるのだ。
もうわかっただろう?
このジレンマをなんとかするには、シス単をビリビリに破くしかないのだ。
ボクはこのビッグウェーブを止めるために、シス単を手に取った。
「さあ、今から破ろう。」
と言うところまで来た。
しかし、私の良心(エンジェリティと呼ぼう)はそのような行為を許さない。
破るフォームはできているのに手にまったく力が入らない。
ビッグウェーブはボクでは止められない。
16歳で知った事実だった。
そして、ボクはそのままシス単を開いた。