令和2年 師団戦車射撃競技会(90TK射撃概要)
90式戦車小隊は3つの射撃状況が付与された。
第1状況【稜線射撃】
第2状況【躍進射撃】
第3状況【行進射撃】
射撃方法の概要
第1状況
稜線射撃
稜線射撃は戦車射撃の基本体勢である。
敵から車体部を稜線に隠し砲塔のみを出した車体遮蔽の状態で射撃する。
第2状況
躍進射撃
躍進射撃は攻撃前進間における短時間の停止射撃だ
資料によっては「短停止射」ともよばれる
第3状況
行進射撃
走りながら射撃を行う射法である
「行進間射撃」「走行間射撃」ともいう。
実 施 概 要
全 般
射場には4つの台及び3つの統制線(PL:Phase Line)が設けられている
発進位置から縦隊で前進した戦車小隊は4つの台の後方にそれぞれ前進
戦車小隊の標準的な縦隊隊形は2車、1車(小隊長)、4車(小隊陸曹)、3車の順番であり、米陸軍と同様である
米軍教範「TANK PLATOON」2019年7月版より
第1状況
① 上級部隊(中隊)より偵察隊より得た情報が通知される
② 稜線下(全体遮蔽位置)で命令の捕捉及び戦闘用意(射撃準備)を実施
③ 砲塔遮蔽位置に前進し、警戒(稜線視察)を実施
④ 敵を発見したならば車体遮蔽位置に前進し射撃を実施
⑤ 射撃後、速やかに砲塔遮蔽位置に後退し警戒
⑥ 敵の撃破及び後退の確認により躍進を準備
第2状況
① 特科に支援射撃要求
② 最終弾を合図に左右の台から班縦隊で進出
米軍教範「TANK PLATOON」2019年7月版より
③ 第1統制線(PL-1)までに横隊に展開
④ 第2統制線(PL-2)までに敵が現出する
⑤ PL-2において停止、速やかに射撃(躍進射撃)
※砲腔内及びALS(自動装填装置内)に対戦車榴弾(HEAT弾)の残弾がある場合には残弾処理
⑥ ミサイル攻撃を確認したためPL-1まで全速後退し回避
第3状況
① 特科に支援射撃要求
② 最終弾を合図に一斉前進
③ 第3統制線(PL-3)までに各種敵が現れる
④ 各目標に対し徹甲弾(実際には演習弾)及び連装銃(同軸機関銃)の射撃を行う
⑤ PL-3において停止
※砲腔内及びALS(自動装填装置内)に演習弾(TP弾:Target Practice)がある場合には残弾処理を特別状況で行う
状況終了