飲酒再挑戦者競技会(SETC2018)
飲酒再挑戦者競技会(いんしゅさいちょうせんしゃきょうぎかい)とは、
「欧州最強戦車競技会」と音声入力した結果だ。
活舌の悪さを物語るが、なんとなく表題にしてみた。
今月(2018年6月)現地時間で3日から8日までの1週間、ドイツにあるグラーフェンヴェーア演習場(Grafenwoehr Training Area)において「SETC2018」が開催され、地元ドイツが優勝した。
SETC(Strong Europe Tank Challenge)は2016年から在欧米国陸軍とドイツ軍が共催するNATO軍の戦車競技会であり、第3回目となる今年は8ヶ国が参加した。
当初「Strong Europe Tank Challenge」を「強い、欧州、戦車、挑戦」という直訳から「欧州最強戦車競技会」と意訳してみたのだが、シンボルマークを見ると「Strong Europe」と「Tank Challenge」に分かれている。
「強き欧州のための戦車による挑戦」という意味のようだ。
実際にも戦車の性能もあるが、優劣を極めるというよりも融和と団結を図る戦車乗員達の年次行事といえる。
参加チームは各国ごと1個戦車小隊、4両であり、戦車小隊の行動と、戦車乗員の団結を見極めるというものだ。
トロフィーは5種類ある。
向かって左より
SETCトロフィー(The SETC trophy)
第1位(1st PLACE)ダーククブラウン
第2位(2nd PLACE)ブラウン
第3位(3rd PLACE)ライトクブラウン
最優秀射撃(MOST LETHAL:最多撃破)
Mk.I戦車が飾られたSETCトロフィーには過去優勝2チームの名盤が取り付けられている。
1位から3位の小隊に贈られるトロフィーはAPFSDS(装弾筒付き翼安定徹甲弾)の弾頭を象ったものでああり、最優秀射撃のトロフィーを含め木製である。
最優秀射撃賞はアメリカ陸軍エイブラムス小隊が勝ち取った。
参加8か国の順位は以下の通り。(1500満点)
第1位 ドイツ小隊:レオパルト2A6(1450点)
第2位 スウェーデン小隊:Strv.122(1411点)
第3位 オーストリア小隊:レオパルト2A4(1321点)
第4位 フランス小隊:ルクレール(1186点)
第5位 ポーランド:レオパルト2A 5(1151点)
第6位 イギリス小隊:チャレンジャーII(1140点)
第7位 アメリカ:M1A2 SEPv2(1100点)
第8位 ウクライナ:T-84U(950点)
上位3チームは全てレオパルト2戦車だ。
しかも55口径砲を搭載したレオパルトのワンツーフィニッシュである。
3位に44口径のA4が食い込んでいるのが興味深い。
さらに、参加レオパルト戦車は全て形式が違うというのも面白いな。
なお、スウェーデンの「Strv.122」はレオパルト2A6の装甲強化版であり、ドイツ本国仕様よりも強力だったりする。
世界最強をうたうアメリカのM1エイブラムス戦車は射撃優秀賞とブービー賞を受賞した。
NATO加盟を目指すウクライナは昨年のT-64BからT-84(旧ソ連のT-80改良)に新規替えして参加したが、自動装填装置の不具合で射撃は惨憺たるものだったようだ。