戦車のサスペンション(その4)ボギーの謎(日本編)
「ボギー=サスペンション」
言い切ったが反論もあるだろう。
と、いう事で反論の根拠となるであろう日本のソースを示してみよう。
ボギーについて説明がなされているので以下に抜粋する。
①ボギー式(ローラ揺動式)下部ローラ支持機構
②下部ローラが揺動できる機構を有すること[ボギー機構]
以上から
「ボギー」とは「揺動(ようどう)する転輪支持機構」と結論付けられる。
用語解説として「ローラ」も必要だろう。
さっそくでググっと群馬だ!!画像検索!!
・・・・・!?
こ・・・これは・・・・!!
つまり彼女が「揺動」する機構という事か。
「ダンシング・ローラ」という解釈で良いのだろうか?
さて、公文書では末尾を伸ばす「ー」は省略する。
一例を示すと
「バッテリー(Battey)」は「バッテリ」
「レーザー(LASER)」は「レーザ」
となる。
「ローラー(Roler)」は「ローラ」となるのだ。
したがって「ボギー(Bogie)」は「ボギ」になるわけだ。
・・・?
なってないな。
例外はつきものである。
さて、ボギーの構造機能についても解説されている。
構造と機能
■目 的
・ 不整地踏破性と踏破速度の両立
■構 成
・下部ローラを固定せずに自由度を持たせ揺動する機構
・二つのローラを一つのビームの前後に取付ける
・このビームに中心軸(ピボットシャフト)を通し、軸を車体に固定する
・ローラはビーム中心軸を回転中心として揺動する。
通常この機構を車体の大きさに応じて複数個取り付けて、地面の凹凸にローラの追随を可能としている。
下部ローラが固定の場合、凹凸地面では前後のローラに支えられて接地が不十分なローラが生じ、履帯の対地密着性が低下しスリップが多くなる。
ボギー(ローラ揺動)機構は下部ローラが地面の凹凸に追随できるため、対地密着性が高くなり、スリップしにくくなるため牽引効力(トラクション)が高くなる。
この様に、ボギーについて公式な説明がなされている。
「サスペンション」という記述が無い事に気づいた事と思う。
・・・・だな。
この資料だけでは「ボギー=サスペンション」という結論は導き出せない。
本資料について注意すべき点は、ボギーについての説明は「建設機械」用であるという点だ。
軍用車両においては「下部ローラ」は「下部転輪(ロードホイール:Rord Wheel)」、「中心軸」は「筒耳(とうじ)Tranion:トラニオン」と呼ぶのが一般的だ。
次回、ボギーの謎(アメリカ編)
2017.07.2 13:35一部修正