機動戦闘車6
マズルブレーキ(muzzle brake)
日本語では「砲口制退器:ほうこうせいたいき」と言う。
国産戦車では61式戦車が使用していた。
また、榴弾砲(自走榴弾砲も含む)の砲先端の物も砲口制退器である。
155mmFH70榴弾砲や75式155mm自走榴弾砲に用いられているのが
「バッフル型」と呼ばれるタイプで99式自走155mm榴弾砲が使用しているのが
「マルチスロット型」と呼ばれるものである。
61式戦車のものはマズルブレーキの機能と共に爆風を左右に散らす効果もあり
「爆風転向装置」とも呼ばれる。
機動戦闘車のものは「マルチポート型」と呼ばれる。
日本語で書くと「多孔型」となる。機動戦闘車の搭載砲はオットーメララ社のものになると噂されていたようである。
オットーメララ社の105mm砲はイタリアの偵察戦闘車(戦車駆逐車)のチェンタウロ(ケンタウロス)に装備されているものである。
おそらくマズルブレーキの穴の開き方が同じなので出てきた噂なのであろう。
もっとも砲身自体の基本設計は105mmL7だけどマズルブレーキの穴の開け方は特異なので、オットーメララ特許の可能性も否定できないな。
機動戦闘車のマズルブレーキ
チェンタウロ偵察戦闘車のマズルブレーキ
このマズルブレーキだが設計の仕方にもよるが砲の反動を20~50パーセント軽減できるという話だ。
105mmL7の発射反動は最大60tあるといわれるから50パーセント軽減できれば30tになる。
一般的にはマズルブレーキの効果は30パーセントと言われるからこれだと42tだ。
戦車の場合は車重の1.4倍までの発射効力に耐えられるとされています。
つまり発射効力60tの場合、車重は43t程度必要となる。
装輪車の場合は1倍のようだからマズルブレーキを付けた最大でも30t必要だ。
そこで後座帳を増やす長後座(ロングリコイル)も採用している。
ラインメタルの資料(以前webで見つけたのだが行方不明)では
マズルブレーキ+長後座(60cm)で26tクラスの装輪装甲車に搭載可能と記憶している。
こういうのって別に公表しても問題ないような気がするのだけどなあ。
なんでも秘密にするっていうのはどうなんだろう?