機動戦闘車1 | 軍曹!時間だ!…

機動戦闘車1


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昨日、陸上自衛隊の新型戦闘車両である機動戦闘車(MCV)の試作車が公開された。

以前、9月中に試作車4両がすべてそろいお披露目は9月末か10月初旬と聞いていたので楽しみにしていた。
最初、公開動画を見たときは背高のっぽで、どうしてくれようかと思った。

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当初言われていた車幅制限2.5m未満ならやむなしと思っただろうが、車幅は3m近くになると既に聞いていたので、まさかと思った。
良く見りゃ画像アスペクト比がおかしいのに気づいた。

動画で驚いたのはスラローム射撃を披露していたこと。
これも話には聞いていて「74式戦車よりも命中する」と言っていた。
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もっとも、この理由については内輪で笑えるオチがあったのだが。
ただ、パッシブサス(多分油気圧)ながら見事な砲反動吸収能力である。

サスがいいのか砲の駐退性能が良いのかは何とも言えない。


今回公開された物は機動戦闘車(その4)の1号車の増加装甲取付状態のようだ。
公開動画の射撃シーンでは10式戦車同様に基本装甲状態の車両が撮影されており多分これは機動戦闘車(その3)であろう。

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当ブログ記事http://ameblo.jp/type60mbt/entry-11255935279.html で紹介している機動戦闘車の試作品の構成内分けどおりなら今回公開された試作(その4)1号車は、試作(その3)で使用された砲塔システムと車体システムを改修流用したものとなる。
動画で2両走っていものの2両目が2号車なのであろう。
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お気づきの方も多いと思うが重機関銃の取付位置が違う。
キューポラと砲塔中央の2か所に付けられるようになっており、砲塔上面写真でも取付けボスが確認できる。
3号車と4号車も仕様が異なるようでRWS(リモートウェポンシステム)搭載車も存在するのかもしれない。



実物を見たわけではないので写真等による判断でしかないのだが

戦闘機動車の気になった部分


■砲身
105㎜L7(改)である。
先端の丸くたくさん穴の開いた部分はマズルブレーキであり、砲の発射反動を軽減させる役割を持つ。
驚いたのはマズルブレーキを装着したのでは無く、砲身自体に孔を開けてあるようだ。
つまり、74式戦車と同じ砲弾を使用できても初速が落ちるという事だよな(多分)
もともと主力戦車との戦闘は避けるべき車両だからAPFSDSの運用はしないのかな?撃てるけど。
むしろAPDSなら効果的に使えそうだ。
ここはぜひ、HEMPのような新型砲弾を準備してほしいところだな。
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後座量もかなりあるようでざっくりとした感じに比べてみた。


駐退複座装置の形式に違いがあるだろうし、砲耳軸位置も異なる可能性もあるが74式戦車に比べ長いのは間違いない。

■砲塔
10式戦車と同様に基本装甲に付加装甲を付けるタイプである。

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付加装甲無しの動画を見ると砲塔ハッチは全て解放されており、かなり大型の砲手用ハッチが確認できる。
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予想図にも大型砲手用ハッチが確認できる


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公開車両はメルカバMk4をまねたのか脆弱部位になる砲手用ハッチは付加装甲で塞がれている。

付加装甲は10式戦車のなんちゃって空間装甲とは異なりしっかりとした対KE弾装甲のようだ。無論戦車砲徹甲弾及びRPG等の成形炸薬弾には大した効果は無く20㎜級徹甲弾対処になろう。

■FCS(射撃統制装置)
10式戦車の技術を導入していると言われる。
パッと見た感じは10式戦車ののダウングレード版のようだ。外見判断では車長用潜望鏡は10式戦車の可視/赤外切り替え方式ではなく、赤外のみであろう。
取付位置から360°旋回するものとは思えず、90式戦車のように前方180°の可能性が高い。レーザ検知器が前方向にしか装備されてないことからも限定旋回の可能性は高い。

とりあえず本日はここまで。