戦車射撃(その2)第1章 総説
第一章
総 説
■1 目的と記述範囲
a. この教範は、部隊長と砲術将校に必要な着実な戦車射撃訓練の概要と準拠を与える。
b. 訓練方法の記述は戦車砲に制限する。
突撃砲、対戦車砲及び迫撃砲に関する必要事項は付録Ⅱを参照すること。
訓練計画はそれらの武器に適応させることができる。
■2 砲術将校の職責
a. 連隊と大隊の砲術将校の職責は以下の通りである。
(1) 戦車乗員に対する射撃訓練の監督及び突撃砲、対戦車砲及び迫撃砲との訓練調整
(2) 適確な方法で照準規正がなされているかを確認する。
(3) 搭載武器が適切な点検整備がなされているかを確認する。
(4) 射撃準備及び戦車大隊内の火力調整について将校及び戦車長の訓練を監督する。
(5) 全射撃の監督
b. これらの条項は、部隊長の訓練に関する責任を取り除くものではない。
■3 機関銃の重要性
機甲師団の最終目標は重要後方施設である。
戦車の破砕力及び車載機関銃により戦車砲を使わなくとも攻撃を達成できる。(図1及び2)
戦車砲の主目的は、戦車が重要な後方地域へ到達するため敵の抵抗を排除することにある。
本教範では車載機関銃の重要性も絶えず強調する。
戦車乗員は、それらを使いこなす必要がある。ジャイロ安定装置は、戦車が移動間における同軸機関銃の射撃精度を向上させるために特に有効である。
■4 射撃統制の重要性
戦車乗員が綿密な統制によらず自由に発砲することを許可されたとき、貴重な弾薬が乱暴に打ち捨てられるように早期に無くなる事を戦闘経験は示している。
中隊長は、弾薬の消費をできるだけ綿密に調整しなければならない。
小隊長は、さらにより厳しい統制を行わなくてはならない。自分の小隊の射撃を監督し掌握する事で、予想外の事態に対応することが出来る。
戦車長は、全ての目標に対して適切な弾種を選択し使用する必要がある。