丸 1月号別冊 陸上自衛隊の戦車
丸 1月号別冊 陸上自衛隊の戦車
定価:1890円 A4版192ページ
192ページ中112ページの過半数を写真が占める。しかもカラーが48ページもある。
個人的にはあまり見たことの無い写真が多い印象です。自衛隊が使用した供与及び国産戦車はもちろん、その他の車両も紹介されておりある意味自衛隊装甲車両車両図鑑ともいえる。
記事については良くまとめられていると思う。ただ、10式戦車の記事については執筆者が勘違いと言うか、戦車のシステムについての理解がちょっと足りない印象を受けた。軍事専門家(戦車専門家ではないよ)としての認識だとこうなってしまうのかなあ。ちょっと残念。
注目すべき記事は『「74式&90式」整備マニュアル』
「それいいんかい!!」と突っ込み入れたくなる内容です。PANZER誌がやりたくても出来なかった内容だな。
いずれにせよ、自衛隊の戦車を知る上ではバイブル的存在になれる良書と言えます。
初心者から現職戦車兵さんに至るまでお勧めします。
で、重箱の隅つつきの記事はこれだ!
「陸自戦車」を考える:葛原和三 著
陸自幹部学校の教官の方の記事です。
記事内容的には「さすが戦史教官」という内容なので問題ないのですが、M41戦車の説明中
― 射距離は「バルスチックユニット」というアナログ計算機に(以下略)―
という行があるんですが、最初「バスルチェックユニットってなに?」と、一瞬何が書いてあるんだ?と思い読み直す。
「バルスチックか・・・」聞いたこと無いな?何だろう?と、ちょっと考えたら!ああ、「バリスティック ユニット」 の事か。
原語は「Ballistic Unit」と書きまして、一般的には「バリスティックユニット」と書かれます。
これは間違った記述と言うのではなく、一般に通用してる名称と言うことで重箱の隅つつきしました。
実は「バルスチックユニット」と「バリスティックユニット」を発音した場合、英語として通じるのは「バルスチックユニット」だったりする。
ちなみに「バリスティックユニット」とは戦車の構造機能に詳しい方ならご存知の「機械式弾道計算機」と言う装置です。
61式戦車にも搭載が予定され試作車で実験されましたが、機械式であるがために調整が難しく誤差が大きくなる傾向があるために採用されませんでした。
試作車ST-A4に搭載されたバリスティックユニット