相変わらず寒い日が続いております。皆様も体にお気をつけください。
さて現在、送配電の分離について論議がなされていますね。
しかし、相変わらず
民主党はイメージしか説明していません。本当にたちが悪いですよね。
私は電力会社に勤務しているわけでも、現在の電力会社を擁護しようとも考えていません。しかし、現在のように拙速に論議を進めようとしている民主党には本当に頭に来ます。
そもそも送配電を分離する目的はなにか?送配電を分離することによってその目的は達成されるのか?っという論議があまりにも不足しているように思うのです。
1.現在の電力提供の形態
電力会社が発電部門(原子力/火力/水力 他)と配電部門(変電所/遮断機/鉄塔/電柱 他)を保有して顧客に電力を届けています。これにより
電力の安定供給に関する全ての責任を電力会社が負う形となっています。
そのため必要量以上に電気を発電して故障した際や予想を上回る電力が使用された場合に備えています。(電力供給予備率)
また、メッシュ状にはられた配電網により、一部の電線が切れた場合でも迂回できるになっています。この10数年 「電気工事のために停電します」 なんていうことを言われることがないのはこのおかげです。
このように全ての責任を電力会社が取るようになっているため、
日本の電力は異常に高品質になっています。
当然、他の国と比較した場合に高額の料金となっています。
他の国では普通に停電がありますが、日本ではめったに停電しません。(台風や地震などの自然災害は除きます。)
この異常に高品質な電力を利用出来る環境にあることを日本人はまず理解しておくべきでしょう。
2.送配電を分離して電力を供給する形態
電力会社を発電会社(原子力/火力/水力 他)と配電会社(変電所/遮断機/鉄塔/電柱 他)に分割します。このため顧客は
発電会社を選択する権利を得られます。当然そこでは競争原理が働き電力が安くなる”かも”しれません。
なぜ、”かも” と書いたかといえば実際に安くならなかった例があるからです。それは米国です。
2001年に発生した電力危機を覚えている方も居らっしゃると思います。ニューヨークが大停電したり、カルフォルニア州の電気料金が超高騰したりと大変な混乱ぶりでした。
なぜそんなことになったかというと、電力の安定供給の責任を ”配電会社”にしてしまったためです。配電会社は電力を安定供給するために、発電会社から言い値で電力を購入するしかありませんでした。
だって、
購入しなければ発電しないんですから! はっはっはw ナイスジョークw っと思っていっしゃるかもしれませんが、マジな話です・・・。
送配電を分離する場合、
誰がどのように責任をもつのか?を明確にしなければなりません。
発電会社から直接高圧線を引き込めるような大会社であれば、配電線を専用にすることで責任を明確化出来ます。(配電線が切れて電力が途絶えたら配電会社の責任。発電機が故障して電力の供給が途絶えたら発電会社の責任)
しかし、一般家庭の場合そうは行きません。少し前に書いたように
メッシュ状に配電しているので電力網全体で電圧を一定に保たなければなりません。配電線が切れた場合は迂回すれば良いですが、発電所が故障した場合などは、
その電力会社を利用している人の電気だけ落とすなどという都合のよいことは出来ないのです。もしそんなことをしようとするのであれば、各家庭に遮断機を設置しておき、各電力提供会社の情報と紐付けてON/OFFしなければなりません。当然送電コストとして上乗せされますので、なんのために送配電分離をしたのかわからなくなります。
米国の場合、配電会社に全ての責任を押し付けられたので、配電会社は電力の安定供給のため発電会社の言い値で電力を買うしか無かったのです。当然その費用は顧客に跳ね返ってきましたので痛い目を見たというわけです。
また、
(1)電力供給予備は誰が責任をもって保つのか?
(2)電力使用量予想は誰が責任をもって立てるのか?
(3)大規模震災など緊急事態の時、誰が電力の安定供給の計画を立てて実行するのか?
(4)発電会社が定期検査に入るときの調整は誰が音頭を取るのか?
など難しい問題が山積しています。果たしてそんな難しいことを民主党政権が考えることが出来るのでしょうか?公務員の給与20%カットすら出来ない人達がそんな難しい問題を解けるとは思えません。
3.今回の震災の教訓今回の震災の教訓は、
(1)大規模震災が発生した場合に長期間電力を安定供給出来なくなることがある
(2)これまで示されてきた安全基準では原子力発電所の安全を保てなかった
という2点だと思っています。これは
送配電を分離しても達成することは出来ません。送配電を分離した場合に達成可能かもしれないのは、平時の発電コストの低減だけです。
これを機会に!っと思うのであれば、電力供給網の統一(50Hz/60Hzの統一)を行い、日本の発電所の電力を日本の津々浦々で利用出来るようにすべきではなかったのかな~っと思います。
少なくとも
浜岡原発やその他の原発を停止して日本の電力供給を危機に貶めることではなかったのではないかと思います。
あの時に、東電の管轄範囲を小さくして50Hzの利用箇所を小さくしておくべきではなかったのかと思うのです。例えば、静岡県や長野県のように50Hz/60Hzが混在する県を、東電から中電に移すことで東電の送電負担を軽減して復旧に集中させても良かったと思います。
しかし、菅 元総理が打ち出したのは、日本の原発を停止に追い込むという愚策でした。訳がわからん。そもそも、福島第一原発の4号機は停止していたにもかかわらず被災によって大ダメージを被ったのに、他の原発を停止していたとしても同じでしょう!っと。
今回の災害を教訓に原発の安全基準を強化して、より安全な原発を目指すと同時に未来のエネルギーに対する投資も行うべきでしょう。
昔(私が子供の頃)、発電は火力発電から原子力発電を経て核融合発電に向かう!っというロードマップを耳にたこができるほど聞かされてきました。
しかし、いつの頃からか核融合発電の未来像が語られなくなりました。もう一度、核融合発電など未来の電力供給に対して考えるべきなのではないでしょうか?
電力会社をいじめることを考えるよりもよほど建設的だと思います。
以上、今日のチラシの裏でしたw