寒い日が続いていますね~。風邪を引かれないよう、またインフルエンザにかからないようお気をつけください。
さて、今日はこんなニュースが。

川崎重工に2億円賠償命令=陸自ヘリ墜落訴訟で―東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120130-00000075-jij-soci 

 静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場で2000年、訓練中の対戦車ヘリコプターが墜落し乗員2人が重傷を負った事故をめぐり、同機のエンジンに欠陥があったとして、国が製造物責任法(PL法)に基づき、製造元の川崎重工業に約2億8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(志田原信三裁判長)は30日、約2億3000万円の支払いを同社に命じた。
 PL法は、立場の弱い消費者を保護する目的から製造業者の無過失責任を定めており、国が同法により賠償請求できるかが争われた。志田原裁判長は、先行した欧州諸国の法律と異なり、PL法が「消費者」や「自然人」に限定していない点などを指摘し、国の請求も可能とする初判断を示した。 

以上、引用。この裁判の詳細はわからないのですが、気になるニュースですね。
なぜかって?墜落したヘリコプター(AH-1S)は川崎重工が設計したものではないからです。
↓AH-1Sとはこいつです。



1.設計上の不具合だった場合
 一義的には設計を行ったベル・ヘリコプター・テキストロン社(以下、ベル社)が責任を追うべきでしょう。
 しかし、ここでいくつかの疑問が湧いてきます。

(1)該当墜落事故と類似の事故が米軍でなかったのか?
 あったのであれば、対策はうたれていたのか?その情報は川崎重工に届いていたのか?

(2)川崎重工は製造時にその不具合を発見できなかったのか?
 発見できたとしても(ライセンスの関係で)設計変更を行うことが可能であったのか?

 時事通信社の情報からだけでは判断できませんね~。設計上の問題であった場合、かってに図面を書き換えてもいいものかな~。
 私の少ない経験から言っても、勝手に書き換えた場合ろくなことにならないと思うんですよね。
 最低限、設計変更した部分は再試験を行わないといけません。その試験項目をどうするのかとか、耐久時間なんかの基準も決める必要があります。
 色々考えているとべらぼうに費用がかかりそうですね。一番楽な方法は、ベル社に不具合の内容を通知してあっちで全部やらせることですね。
 しかし、そんなことをするとこっちの都合通り(期待している期限内)に動いてくれるわけではないですもんね。

2.製造上の不具合であった場合
 確実に川崎重工が負担しなければならないでしょう。しかし、軍用品に民間の基準(PL法)を適用していいのかというのも気になりますが・・・。

3.部隊整備時の不具合であった場合
 この場合はPL法での損害賠償の対象とはならないでしょうね。

果たしてこれらの切り分けが、裁判で正しく行なえたのか大変気になるところではあります。そもそも裁判でそんな情報を開示して良いものなのか・・・。

これで気になったのは何かと申しますと、製造を請け負っている企業は製品の設計に対しても責任を負わなければならないのか?っということです。請負プログラムのように、設計したところと販売するところが一緒であれば、元請けが責任を取るべきなんのでしょうが・・・。

プログラムは、元請けが「基本設計」、「詳細設計」を行って、製造(プログラムの作成)は外注するのが一般的です。当然元請けは、製造したプログラムが設計書通りに動いているのかを納品時に検査します。したがって、製品(プログラム)に不具合が出た場合は、元請けがその責任を負います。
外注した仕様書通りに下請けがプログラムを作成したにもかかわらず、設計に問題があって正しく動作しない場合は当然元請けが責任を取らなければなりません。(責任を取らないひとが多いけどね~w)
下請けの技量は、発注仕様書を見て仕様の不具合がないかをチェックするスキルがあるか!につきます。海外の外注さんは殆どこれができません。言った通りに作ってきて(来れば御の字w)、動かなかったら別途費用が発生しますってところが殆どです。
元請けに力がないからといえばそれまでなのですがw


しかし、プログラムと違ってメカニカルなものは切り分けが難しそうですね~。ましてやこんなことで賠償が発生するようであれば、赤字部門である防衛部門を閉鎖しようとするところが出てくるかもしれません。

川崎重工はOH-1を改設計したAH-Xでも作成して頑張って欲しいところです。自分が設計していないものに責任を取るよりも、自分たちで設計した物について責任をとりたいでしょうから。

がんばれ!川崎重工!