待ちかね、東京(正確には千葉)に住む新聞記者Aからの投稿です。


今回のタイトルは『末っ子をこさえるためのレシピ』だそうです。

彼が新幹線の中で出会った出来事です。彼も末っ子ですから気持ちが痛いほどよくわかるのでしょう。笑)





『末っ子をこさえるためのレシピ』

新幹線が名古屋に着きました ありゃま!年端のいかない三兄弟が空席めがけて突進してきます! まあかわいい

 末っ子ちゃん頑張る!頑張る!でもやっぱりお兄ちゃん速い!! 速いー窓際の席とったのはお兄ちゃん(長兄)だー


 あきらめるのはまだ早いぞ末っ子ちゃん 家族は両親合わせて5人 席は二列確保してある ・・・て、こ・と・は・・・後ろの列の窓際が空いてる 末っ子ちゃん急ぐ あーー!!ダメだー!! ちゃっかり次男が陣取ってます やはり次男!生き上手! 状況と己の能力を冷静に分析し、最良の行動をチョイスします



ダメです!末っ子ちゃんダメです!


末っ子問題に詳しい○○さん(新聞記者A)の話ト;一般的に、体力・知力・経験値のすべてでお兄ちゃん達を下回る末っ子に勝ち目はありません。しかし、幼い頃にはこれが理解できず、猛進してしまうのです。はっきり言って単純ですね。「ほしいものがある」→「欲に直結する形で全力を尽くす」→「失敗」 学会ではこれを「フェーズ1における末っ子のジレンマ」と呼んでいます。


立ち尽くす末っ子ちゃん! 顔が紅潮しております、いくぶん手汗もかいているようです・・・背中が淋しいコーデュロイのズボンを握り締めて・・・あーーやっぱり泣いたーーー 泣きます!! ワンワン泣きます しかしお兄ちゃん意に介しません!! 窓の外を流れる風景に夢中です! 窓に映る弟の姿は目に入っているはずですが完全に無視です!


末っ子の叫びは無駄骨か 


「こらあ!譲ったげなさい!お兄ちゃんでしょ!」 でたーーー お母さんの介入です! すべての経緯をぶち壊し、有無を言わせず裁定を下します!

○○さん(新聞記者A)の話;業界ではこれを「神の声」と呼びます。末っ子は誰かに頼る能力を生まれもっているものです。このケースにおいても同様です。お兄ちゃんにむかって叫んでいるように見えますが内心「お父さんお母さん 何とかして」と訴えているのです またこの場合、両親も末っ子をなだめるより、兄を力ずくで言うこときかせる方が早期に事態を収拾できると判断します。


さらに、兄は神の声に対して理不尽さを感じますが、「お兄ちゃんでしょ」という破綻しているようでなぜか説得力のある論理に従う習性を身につけます。
引き替えに「我慢力」という人生のギフトを得るのです互恵関係にあるといえますね


席を譲ってもらった末っ子ちゃん、うれしそうです 涙目に見えますが口元は笑っています 明らかに確信犯です 言いません、「ありがとう」は言いません!!



○○さん(新聞記者A)の話;「僕は要求してないからお礼言う必要ない」の法則ですね。これにより、末っ子のジレンマにおける「失敗」段階の後ろに「ごねればなんとかなる」→「無反省」という第二フェーズが生じ、一人前の末っ子へ育っていくのです。皆さん、末っ子は温かく見守りましょう

                                          

                                                        Fin



どーしようもありませんね。笑)