こんにちは、ぬぬつきです。11月になって寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、この8月に行った電車の架線集電の実験についてレポートします。題して、夏休み自由研究!
1.目的
電線から電気を取り入れ、列車を走行させることが目的です。そうすることで、車内に電池や受信機を設ける必要がなくなり、内装と動力の両立が容易になります。また、ナローゲージへの転用も将来的に考えています。
1.1社外品の使用について
普段はレゴ作品についてなるべく純正パーツのみを使用し、いわゆる魔改造をしないのが自分の主義なのです(他の方がやる分には否定しません。むしろ興味深い) が、さすがに今回はホームセンターでいろいろ買って来ました。とはいえ極力レゴパーツを用いており、切断なども避けていますが。
あと、夏の酷暑のなか遠くのホームセンターに3日連続で自転車で行ったのはいい思い出でした(笑)
2.内容
2.1配線
電気の回路としては下図のようなものを想定していました。
↑模式図
2本ある架線のうち1本から集電、もう1本から電気を排出(排出??)します。分かり易く?いえば、昔の9Vトレインのうち電力供給源が線路から架線に変わったということですね。
このように、架線を2本用いる方法は、国内だと電車の黎明期に一部で採られていたようです。ちなみに、現在はというと、1本ある架線から集電し、使った電気は車輪を介して線路に流すそうです。もしこの方法を採るとなると、鉄の車輪と通電するレールが必要=実質9Vトレインになるため、やめました。
↑回路図
左は実態に即したほうで、右はそれを抽象化したもの。僕はよく工学部(こうがくぶ)に間違えられるのですが、実際は法学部(ほうがくぶ)なんですよね。こういうの詳しくなく、図の書き方に突っ込み等あるかもですが、目をつぶっていただければと。
2.2.電源
電源はどんな形式でもよかったのですが、まず、Power Function(PF)単3電池BOXで実験し、そのあと②RCトレインを使用しました。
①PF電池BOXと普通の電線を接続する実験
②RCトレインから架線に電気を流す実験
一時期は仮動力車として活用したRCトレインですが、全体としてPFへの置き換えが進み、活躍の場が減っていました。
2.3車両(電02型電車)
車両のほうについては、屋根上にMモーターを設置し、その動力を台車に伝達する方法をとりました。
車両に必要な機器はモーターのみですから、いつもみたいにスペース不足に困ることもなく、らくらく…!今回は、動力軸が車内を貫通していますが、モーターを台車に直接つければ、いわゆる吊掛け駆動になるわけですね。
3.結果
動画をご覧ください。だいたいこんな感じになりました。とりあえず車輪は回る…。
電車(リアル)を試作してみた🤔
— ぬぬつき (@nnnk_lg) August 5, 2020
電線から電気を持ってきて走る pic.twitter.com/u9nSY5JK1m
4.実験凍結
と、いうわけで上手く進んでいた架線集電実験ですが、意外なところで行き詰ります。それはパンタグラフです。
↑パンタグラフの拡大。使用しているバネはパイレーツの大砲から取り出したもので、一応レゴ純正ということになります。架線に接する箇所には、アルミテープを使用しています。
写真でなんとなく伝わるかもなのですが、架線(エナメル線)が針金状にカクカク?しており、パンタグラフとの接触を上手く実現させることができませんでした。そのタイミングでいろいろつかれて計画凍結へ…
5.今後
せっかく材料も買ったのわけでうし、気が向いたら計画を再開したいと考えています。架線柱などのインフラ設備のことを考えると、2ポッチ軌間のナローゲージが現実的でしょうか?
以下、おまけ
皇国鉄道の電化計画
(『皇国鉄道概説』より抜粋)
○あらまし
工業の発展による人口の増加は、都市圏の鉄道需要の増加につながった。しかし、それまでの鉄路は首都近郊でも非電化・単線で、2時間に1本程度の列車しかなかった。そこで、増え続ける乗客の利便性を図るため、皇鉄は都市圏の複線化を実施することにした。また、従来の車両は客車列車で、高頻度運転に向かなかったため、電車化も実施されることになった。国内では、すでに市電(路面電車)が実用化されており、国有路線の電化にも期待が寄せられた。
国土の隅々まで伸びた鉄路であったが、多くは単線・非電化である。
○計画の概要
・代城(しろしろ)駅〜皇都(すめらみやこ)駅 (海浜線+山奥線の双単線)
この区間はもともと双単線であった(実質複線)ため、線路はそのままに電化のみ実施されることになった。この線区のうち、まず皇都駅〜新西駅間の片側の線路が試験線として電化された。
・皇都駅〜弥海(やみ)駅 (海浜線)
首都と海辺の町々を結ぶこの路線も複線化されることになった。これにより、ダイヤグラム上は気動車でも毎時1-2本の運転が可能になり、電車化されれば区間準急1本を含め毎時3-4本は運行できるとされた。
(都市近郊の通勤・通学に用いられている気動車。のちに、わざわざ電化しなくても気動車でなんとかなるとわかった。)
○電化の難航と現状
当初は上手くいくと見られた電化であるが、さまざまな要因で失敗することになる。まず第一に電源の供給である。電化が予定された海浜線は文字通り海辺を走る路線であり、水力発電所がある山の中から遠く離れていた。そのため、送電設備の建設に想定以上の費用がかかることになった。加えて、電化の技術的な難易度も高かった。
また、思わぬところから電化に反対する声が上がった。皇国陸軍である。陸軍が言うに、変電所が航空・艦砲攻撃されると、仮に線路が復旧しても電車・電気機関車すべて止まってしまう危険があるということであった。当時はプッチニ村問題、「DM怪文書事件」などを通じ二重帝国との軍事的緊張が高まっており、陸軍は同国空軍の重爆撃機によって本土が攻撃されるのを恐れていた。
一方、海防軍は気動車・蒸気機関車に充てる燃料を軍艦に回せると考え、電化に賛成した。こうして兵部省内で陸海軍の意見が割れたことも、電化が滞っている一因である。
以上の要因から皇鉄は電化計画を凍結することとし、当面は増備した気動車で運行することとした。ただし、現在も試験線(皇都〜新西)には架線が残っており、たまに電車が走っている。
○車両
・電02型
電化試験に用いられた電車。
・電03系列
電化開業を目指して開発された電車。座席車と荷物座席合造車が試作された。現在は電装を解除され、客車として代用されている。
おわり