https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57356
「
250万世帯がワーキングプア、その4割が中高年
堅調な景気回復と人手不足を背景に賃金上昇の兆しが見え始めたものの、
中高年労働者においては所得環境改善の遅れが目立っている。
政府公表統計に基づき推計したところ、
いまだに北海道の全世帯数に匹敵する約250万世帯がワーキングプアという現実に驚かされる。
しかも、その4割が働き盛りとされる35歳から50歳代の中高年によって占められている。
彼らを現状のまま存置すれば、
将来、老後資金の不足から生活に困窮する高齢者が大幅に増加し、
これまで以上に医療・介護費や生活保護などの社会保障支出が増えることはあきらかである。
また、日本の厳しい財政状況を考えれば、
社会保障サービスの抑制や消費税などの税率および社会保険料率の更なる引き上げなど、
国民にそのツケが回ってくるばかりか、日本経済の持続的な成長の足かせともなりかねない。
」
「パム」を含めた世代には「ワーキングプア」が多いんですよね。
自分達が老後を迎えたら、その時の社会保障はどうなるのでしょうか???
「
深刻さ増す不本意非正規雇用の存在
初めに、中高年労働者の所得環境の実態を把握しておこう。
まず、正社員・正職員の労働者(以下、正規雇用)では、他の年齢層に比べ、中高年の賃金の低迷が著しい。
特に、団塊ジュニアやポスト団塊ジュニアが大半を占める40歳代は、50歳代に比べ実質的な賃金が低い。
賃金構造基本調査(厚生労働省)を基に試算したところ、
大卒男子が40歳までに得た収入総額(所定内給与+賞与、2015年価格)は、
バブル期入社の50歳代前半に比べ、団塊ジュニアで約450万円、ポスト団塊ジュニアで約750万円少ない。
次に、正規雇用以上に厳しい状況に置かれている
契約社員や派遣社員など正社員・正職員以外の労働者(以下、非正規雇用)を見てみよう。
非正規雇用の場合、30歳以降では賃金が伸び悩み、年齢が上がるに従い正規雇用との格差が拡大する。
2017年における非正規雇用の月額所定内給与(男女計)は、
19歳以下では正規雇用との差は1万円程度だが、50~54歳では正規雇用の約半分の20万5000円に過ぎない。
さらに、中高年の非正規雇用にとってより深刻な問題は、
正社員になりたくてもなれない非正規雇用労働者(以下、不本意非正規雇用)の存在である。
なお、ここでは
「正規の職がないから」
を副次的な理由にあげている非正規雇用も含めて、不本意非正規雇用としている。
そもそも不本意非正規雇用の所得は低く、
彼らの9割が年収300万円未満、過半数がワーキングプア世帯の目安である年収200万円未満である。
不本意非正規雇用の大半が経済的に窮していることは想像に難くない。
2018年4~6月期の労働力調査によれば、
中高年の不本意非正規雇用は、景気拡大を受けて減少傾向にあるとはいえ、依然として155万人も存在する。
この人数は2016年度卒の新社会人135万人を軽く上回る規模である。
これをみれば、問題の深刻さがよりはっきりとわかるだろう。
」
「パム」の年収も200万円前後です。
こうなると、ライブを見に行ったりするお金も時間も作れません。
そして、2015年にプログラマを廃業した今の「パム」は「不本意非正規雇用」とも言えるでしょう。
※保険外交員は「有期雇用」です。
「
賃金低迷の背景にある「知識・スキル不足」
正規、非正規に関わらず、中高年労働者の所得が低迷している背景の一つは、
賃金システムが年功序列から業績評価へ転換するなか、彼らの知識・スキルが企業の要求水準を満たしていないことである。
これは、
これまで社員のスキルアップに重要な役割を果たしてきた企業による人材育成や能力開発の仕組みが、
近年機能不全に陥っていることがあげられる。
加えて、国の教育訓練制度の力不足が主な要因として考えられる。
企業は、バブル経済の崩壊以降、人材育成・能力開発に対する投資を抑制してきた。
経済財政諮問会議の資料によれば、
労働費用に占める人材育成・教育訓練費の割合は、バブル経済崩壊時に大幅に低下して以降低迷が続き、
2008年のリーマン・ショック後に再び急低下した。
バブル崩壊からリーマン・ショックまでの時期は、現在の中高年が新社会人や中堅社員としての知識・スキルを養成すべき期間とほぼ重なる。
企業による幹部人材の絞り込みが厳しくなるなか、
現在の中高年は、正規雇用といえども本来スキルを身に付けるべき時期にその機会を得られなかった。
結果として、当該世代では、幹部や中心的人材としての能力を十分に養成できなかった労働者が多いとみられる。
正規雇用ですらこうした状況のなか、企業は中高年の非正規雇用の能力開発に対しては、なおさら消極的である。
筆者が実施した聞き取り調査では、貧困者支援団体などから
「残された就労可能期間が短く、教育訓練してもそのコストに見合う成果を上げられるかは不透明なため、
中高年非正規雇用に対する教育訓練は企業にとってメリットが少ない」
との指摘があった。
多くの中高年不本意非正規雇用には、自らの職業能力を上げようにも、その機会が限定されるという大きな壁が立ちはだかっている。
」
「パム」自身も「一般企業の定年」である60歳までで計算すると残りは16年しかありません。
「正規雇用」も「何を今更?」と言う思いも強くて、30代の頃のように魅力を感じなくなりました。
「
利用しにくい政府の能力開発支援策
このような企業の動きに対して、政府は、労働者の能力開発を促進するため、
ハロートレーニング(公共職業訓練)や教育訓練給付制度といった公的な教育訓練制度を拡充するとともに、
従業員のスキルアップや非正規雇用の正規雇用への転換を図る事業者に対し助成金制度を創設するなど、能力開発支援強化をしてきた。
しかし、それら支援策は、中高年労働者の知識・スキルの向上やキャリアアップに貢献していると言い難い状況にある。
まず、公的な教育訓練制度では非正規雇用は対象からはずれている。
ハロートレーニングのプログラムは失業者や未就労者が主な対象である一方、
教育訓練給付制度の大部分の課程は、ある程度の経済的、時間的余裕がある正規雇用向けである。
そのうえ、教育訓練内容が必ずしも企業ニーズに即していないなどの問題も指摘されている。
結果的に、利用者は伸び悩み、近年では両制度合わせて13万人程度と、全就労者のわずか0.5%であまり機能していない。
また、事業者に対する助成金制度についても、要件が分かりにくく、手続きが煩雑であるため、利用する事業者は少数にとどまる。
2017年の厚生労働省調査によれば、非正規雇用向けの人材開発に対する助成金の場合、
事業者の半数近くが制度そのものを知らず、たとえ制度の存在を知っていても利用する事業者は全体の5%程度に過ぎないのが実情である。
」
そうなんですよね・・・。
「公的機関による支援」は実態と乖離しているんです。
すると、いつまで経ってもずるずるとこのままなんでしょうね。
「
人手不足の今が制度見直しのチャンス
以上の取り組みは、本人やその家族の経済的な自立、生活向上の促進に不可欠なだけではない。
技術革新が進み、国際競争が激化するなか、
生産性向上や高付加価値化など、企業にとってプラスとなるうえ、ひいては日本の持続的な経済成長にとっても重要な役割を果たすことになる。
比較的雇用情勢が良く、人手不足が顕在化している今こそ、キャリアアップ・就労支援制度を抜本的に見直す好機である。
中高年労働者を取り巻く問題、特に不本意非正規雇用の問題は日本経済の屋台骨を揺るがしかねない喫緊の課題であり、
政府や産業界には迅速な対応を期待したい。
」
「パム」からもよろしくお願いします。