ピアニストに恋をしました。


彼と結婚して子どもが生まれました。女の子です。

彼女も、ピアノを弾きます。

でも、野球もサッカーもします。料理もゲームもやります。

彼女の手は、ピアノを弾くためだけにあるのではありません。


ある日彼女が指を怪我しました。

体育の時間に突き指をしてしまったのです。


彼女は初めて「これじゃピアノがひけない」と気付きました。


初めて、この指はピアノを弾くためにある、と思ったのです。


彼女は泣いて泣いて「どうしよう」と言っていました。


私は彼女に「きちんと心配してあげれば、きちんと治るよ」と繰り返し言いました。


心配しすぎるなんてことはない。
心配したいだけ心配しなさい。
そうしたら、またピアノが弾けるから。


私は彼女にそう言いました。





という、おはなし。

「きちんと心配する」ことが降ってきたので、書きました。