R5本試験所感(7)第22問について | 士魂~samurai spirit~

士魂~samurai spirit~

土地家屋調査士試験合格のための課外授業。
合格に必要なのは、条文知識や受験テクニックだけではないから。

【第22問】

問1:文章穴埋型問題。テーマは、既登記の区分建物を非区分建物とするための登記手続と要件に関する出題。結果として、この解答が本件の登記手続の指針となっていましたね。しっかりと得点を重ねたい問題でした。

問3:建物図面及び各階平面図の作成。本問に論点はなく、細心の注意を払って確実に完全答案を作成したいところです。

問4:文章穴埋型問題。テーマは、敷地権となるべき敷地利用権がある区分建物の表題登記時に当該敷地権となるべき権利を敷地権として登記しないための添付情報に関する出題。内容的には、択一対策や答案練習等でもおなじみのテーマですから、完全解答とできた受験生が多数だったのではないでしょうか。

問2:申請書の作成。この小問に関しては、以下の論点が浮上してきます。

<論点1>登記の目的はどのように記載すべきか?

<論点2>合併前の一棟の建物の変更登記に関する記載は必要?

<論点3>区分した建物の表示欄の記載はどうすべきか?特に登記原因欄について?

<論点4>合併後の建物の種類は?変更があるとするならば、登記原因欄に「㈰種類変更」の旨の記載は?

<論点5>区分前の変更も踏まえて、区分建物合併登記で全て処理するという登記手続は可能か?

 

本問についても第21問と同じく、深い思考力と判断力を要求されていた問題といえます。様々な細かい論点に関して、ご不安になられている受験生も多いかと思いますが、依頼の骨子を押さえた申請書の作成を心掛ければ、そう大きな失点につながることはなく、及第点を得ることができると予想されます。

 

なお、上記論点について、齊木個人としての見解を詳細に述べる動画を制作中です。完成次第、改めてご案内を差し上げますので、今しばらくお待ちください。

 

 

【記述式総評】

第21問、第22問いずれも論点多数となり、確証を持てないまま答案を作成しなければならない部分も多く、その意味で難問と言って間違いないでしょう。

 

『本試験合格へ向けての学習方法』が、不動産登記制度やルールといった単なる知識の習得に留まらず、それをベースとした思考力・判断力を要求する近年の傾向を強く認識されられた問題構成だったと言えますね。そういった近年の本試験問題に対応するための方策を強く意識して学習・訓練をされてきた方が、本問に動じることなく答案を作成され、合格をつかみ取ることになるものと思われます。

 

いずれにせよ、今回の問題で、『合格の確証を得た!』といえる受験生は、なかなか少数だと思われますので、もしご自身として納得のいく感触でなかったとしても、あまり不安にならずに公式結果の発表を待ちましょう。ひとまず、おつかれさまでした。

 

動画バージョンはこちら。