最近、太陽が沈む頃、南西の空にとても明るい星が見えています。
金星です。明るさの等級は約マイナス4等。
太陽が沈んだ直後の明るい空でも、すぐに見つけられるほどです。
とても明るいので、1番星みつけた!と思ったら、たぶん金星でしょう。
その金星のすぐ近くに、土星が見えています。
金星に比べると、土星はずいぶん暗く見えます。明るさは約1等。
1等星というと、冬の星座のおおいぬ座のシリウスや、
夏の星座のこと座のベガなどがあり、明るい星のイメージがあります。
しかし、今の時期の土星は日没後まもなく沈んでしまうので、
約1等といえども、黄昏時に見るとちょっと暗く見えてしまうのです。
私が住んでいる所は高い山に囲まれています。
南西には南アルプスの山々があり、金星も土星も日没後、
すぐに山に沈んでしまいます。
ただ、山の上で輝く星は、神秘的なくらいに美しいです。
超が付くほどの田舎に引っ越してきて、かなり不便なことも多いですが、
この景色を見れば、チャラになるくらい素晴らしい瞬間だと思っています。
プラネタリウムの仕事を離れて約2年。
急ぎ詰め込んだ知識は忘れこぼしてしまいましたが、
今の私の頭上に見える星空は、夢や希望や、孤独、寂しさなど、
自分の全てを知ってくれているような気がしています。
冬の星座には明るい1等星が多いため、寒いですが、
星を見るには良い時期です。
12月15日には双子座流星群も見られます。
(月の影響で今年は見えにくいと言われていますが)
星空に自分の心情をぶつけてみるのも、よいのかもしれません。
帰宅途中など、ちょっと空を見上げて星を探してみてください。