<IMDbより借用>
予告編
何故今?
アメリカで9月に公開予定(日本での公開は未定)となる、スティーヴン・キングの30年前の作品の初映画化です。(TVシリーズはありましたが)
今回の予告編の再生回数が『美女と野獣』を超えた、というニュースもありましたが、スライド上映のシーンなどなかなかの怖さですね。
アメリカでは「キラークラウン」が昨年のハロウィンの際などに大々的な話題として上がっていましたし、それらにキングもコメントを出していたりしましたので、想像以上にこの作品でいう所の「ペニーワイズ」の恐怖はアメリカでは身近にあるものなのかも知れません。
『IT』は文春文庫4分冊が出版された時の年末に夢中で読んだ記憶が今でも懐かしく思い出される作品で、改めてキングの作品を時系列で眺めてみると、『IT』の前、後という区切りで語れるような位置付けの大作だと思います。
キングの作品の映像化で成功した例は殆ど無いと思いますが、元々の長さの問題もありつつ、キングの作品の読後に強烈な余韻を残す(「恐怖」だけではない)本質を描く事が出来るのか、という点がどの作品にもついてまわるキング作品映像化の「困難さ」かもしれません。
今回の『IT』も「ペニーワイズ」の怖さを上回る、あの「切なさ」を描く事が出来ているのでしょうか。
最近読んだキングの作品(1990年代と2000年代を行ったりきたりして、落穂ひろいを続けています)では、昨年に翻訳された短編と言っても良い『ジョイランド』が、キングのエッセンスが詰まった作品として印象的です。
![]() | ジョイランド (文春文庫) Amazon |
遊園地で働く事になった青年のあるひと夏の物語ですが、ミステリー風味も加味しながら、随所にキングらしさを堪能出来る作品でした。
長編では『悪霊の島』を。(この日本題名は良くないと思います)
![]() | 悪霊の島 上 (文春文庫) Amazon |
![]() | 悪霊の島 下 (文春文庫) Amazon |
『IT』の前時代の作品群を彷彿とさせつつ、自身の自動車事故の体験や、現在の「大人」になったキングの視点で語られるある「悲劇」が心を打つ作品でした。この作品の読後の余韻も捨てがたいものがあります。
スティーヴン・キングの作品を読む、という行為は大袈裟ですが現在の自分の「ライフワーク」と言って良いかもしれません。
新潮文庫の長編作品群が絶版になっていますし、翻訳物全体がなかなか厳しい状況にある中、コンスタントに出版されるというのもキングの凄い所だと思います。
それでは。





