娘を送り出した朝

携帯が鳴る

母からだ

「助けて」

「どうした?」

「つこけて(転んで)起きれん」

歩いて5分位だが車で行く

たぶん庭で転んだんだろうと

庭へ行く

姪の車がある(看護師)

母がうつ伏せに転がってる

「大丈夫ね?」

「痛くて起きれん」

起こそうとするも重い

「◯◯(姪)はおっとだろ?」

「おるけど寝てる」

「こがん時は起こさなんたい」

「でも」

「でももクソもない」

「◯◯!◯◯!ちょっと来て」

と大声で呼ぶ

姪が慌ててきた

「重くて起こしせん。手伝って」

二人でやっと起こした

左手を痛そうにしてる

「これは折れてる」と私



でも時間は朝の8時

「病院はまた開いとらんけん取り敢えず湿布しときなっせ。後で病院に連れて行く」

姪を見ると母を見てニタニタ

「何で笑いよっと?」と聞くと

「だって見て」

母を見ると

右手とオデコを床につけて

お尻を上げモゾモゾしてる

私も笑った

「何しよっと?」と聞くと

「トイレに行こうと思って」

「そがん時は言わなんたい」

黙ってトイレに行った

戻ってきた母に

「◯◯がおるなら大声で呼ばなんたい」と言うと

「だって寝とるけん」

「寝とっても起こしてよか!非常事態なんだけん」

と言って帰った