環頭柄頭の画像を加工して復元してみました。
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オリジナルはこんな金色だったはずです。

単龍環頭大刀は朝鮮半島系の装飾大刀で、祖型は新羅だったとも百済だったとも。色々なタイプがあります。

なぶんけんブログの記事

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研究資料は大阪府立近つ飛鳥博物館の平成8年(1996年)「金の大刀と銀の大刀」展図録が手元にありました。
岡山大学特任教授の新納泉先生が1982年に編年資料をまとめておられるそうで、その抜粋が採録されていました。

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もう22年も前の本ですので、研究はその後進展しているのではないかと思われますが・・・・。

本文にある単龍環頭の編年についての記述
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貼附されている「図9 単龍・鳳環頭大刀の変化」
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ネット上でこの論文に該当する資料の画像を探してみました。

単龍環頭Ⅰ式  百済 武寧王陵出土

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Ⅱ式 大阪府茨木市 海北塚古墳出土
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Ⅲ式 大阪府太子町 一須賀WA1号墳出土
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現在関連の特別展が開催中です。

Ⅳ式 千葉県市原市 姉崎山王山古墳出土
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同じくⅣ式 大阪府高槻市 塚原P1号墳出土
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これは高槻市立今城塚歴史館に常設展示されており、撮影も可です。

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さて、ネットサーフィンを続けていたところ、幸運にもある論文に出会いました・・・・。というか、「単鳳環頭」で検索したら第一位候補に出るのがこの論文です。

「同氾・同形品と考えられる単鳳環頭大刀  菅 博絵」

http://www.kyotofu-maibun.or.jp/data/kankou/kankou-pdf/ronsyuu7/20suga.pdf#search=%27%E5%8D%98%E9%B3%B3%E7%92%B0%E9%A0%AD%27

ここに紹介されている資料はなんと「伝・乙訓出土 単鳳環頭柄頭」!。

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穴沢咊光(わこう)・馬目順一 「井上コレクションの単鳳環頭大刀柄頭 1988 井上コレクション 弥生・古墳時代図録


記されているポイントは・・・、

1「井上コレクション」に乙訓から出土したものと言われている単鳳環頭柄頭が存在する。

2この井上コレクションは現在、東京都八王子市の八王子市郷土資料館に収蔵されている。資料館のホームページによると常設展示はされていない様子。

3この柄頭は奈良県榛原町出土と伝えられている単鳳環頭柄頭と同一の鋳型で鋳造された製品と考えられる。

同氾製品の伝榛原町出土 単鳳環頭柄頭
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6世紀の単龍・鳳環頭を副葬するような乙訓の古墳は限られてくるはずです。
あるいは芝14号墳の単龍環頭大刀とペアを成す単鳳環頭大刀だったのでしょうか?。