天才音楽家モーツァルトの最後にして最大のヒット作となったオペラ「魔笛」。
その魅力を伝えるシリーズ第3弾は、出番は少ないのに、存在感がハンパない「夜の女王」様の登場です。
とにかく、まずは「夜の女王のアリア」を聴いてください。
圧倒的な存在感ですよね。個人的には、ドイツ出身のディアナ・ダムラウ様が世界で一番すごい夜の女王様です。お風呂で真似して絶叫したら、多分家の人に怒られます(笑)。
夜の女王様は、登場シーンが3度しかありません。そのうち2度はほぼアリアを歌うだけ、最後の場面はほとんど言葉を発しません。登場シーンも時間もパパゲーノやタミーノたちに比べると格段に少ないです。
でも、「魔笛」を見終わった後、最も印象に残るシーンは、第2幕で訪れる↑↑↑のシーンだという人は少なくないでしょう。
夜の女王樣が歌うアリアは2曲。その中でも有名なのは↑でご紹介した「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」です。
「夜の女王のアリア」といえば、この曲を指しています。ドイツ語がわからなくても、歌っている様子から女王様がお怒りの様子であることは、すぐに伝わりますよね。
この歌は「まさに超絶技巧の玉手箱やぁぁ」とヒコマロさんが目をむいて感嘆するほど、コロラトゥーラによる超絶技巧がこれでもかというくらいにてんこ盛りの超何曲です。
コロラトゥーラとは速いフレーズの中に装飾を施し、華やかに歌いまわす技術です。これだけでも高度なテクニックですが、夜の女王のアリアでは、ドレミファソラシドレミファソラシドレミファのファを最高音に、連続した高音でコロコロコロコロ、コロラトゥーラしまくるのです。
最初の登場シーンで歌う「ああ、恐れおののかなくてもいいのです、我が子よ」も高音コロラトゥーラを駆使した高難度の曲です。
ルチアーナ・セッラ
オペラではこの2曲を完璧に歌わなくてはなりません。これこそ、夜の女王様を演じられるコロラトゥーラ・ソプラノは世界で数えるほどしかいないと言われる由縁です。
モーツァルトは何故、こんな超難曲を夜の女王様に与えたのでしょうか。
モーツァルトの奥さんのお姉さんが、非常に高い音を出せる歌手であることを知っていたモーツァルト が、彼女の魅力を最大限に引き出すtために作曲したと言われています。お姉さんは「魔笛」の初演で夜の女王様を演じています。
我が国日本にも、夜の女王様を演じるソプラノがいます。
安井陽子さんです。国内屈指のコロラトゥーラ・ソプラノです。貫禄十分ですね。
新国立劇場をはじめ、「魔笛」公演は、安井さんが夜の女王様ご指名です。NHKニューイヤーオペラコンサートも2度出演しています。ウイーン留学中に夜の女王デビュー。地元紙で好評を博し、現地での契約オファーもあったほどの実力者です。
夜の女王様は、第1幕の初登場時は、ザラストロに娘をさらわれたことを嘆く母親という善の顔を見せます。しかし、第2幕では娘に彼を殺せと迫るダークな女王様となり役柄が一変します。
善玉と悪玉が途中で入れ替わるストーリーは、意外性を求めた狙いがあったのかもしれません。
私自身も何度も「魔笛」の対訳を読みましたが、夜の女王様とザラストロの関係はよくわかりません。「魔笛」サイドストーリーで、2人のスピンアウトものがあれば、ぜひ知りたいです。
第1幕で稲妻とともに現れた夜の女王は、オペラのクライマックスでザラストロの稲妻に打たれ、闇へと消えていきます。
ぴ。
