自分の感受性を
閉じてはならない


その先端を
コンクリートで埋めてはならない


歳を取ったからと
錆びさせてはならない


日々の忙しさに流され
空っぽにしてはならない


何故なら


感受性があるから
私は今生きている
と感じることができる


この世界に生まれた喜びを
思い出すことができる


頬を撫でる風の
爽やかな冷たさ


この世界は美しいのだと教える
木漏れ日の光


共にさらって欲しいと
誘う木々の葉音


日向で眠る犬の毛の
生まれたての様な柔らかさ


生命力を私の体へと運ぶ
一口の食物の力強さ


私が感じる全てが
私の世界を色濃く鮮やかにする


私を幸福で満たしてくれる


どうだ、素晴らしいだろ?
と世界から問われている様な


今をしっかりと生きろ
と空から言われている様な


自然や生物が減り
星が見えなくなり


雪の感触も夏の夜の涼しさも
記憶の中にしかない


今を感じるものが
ひとつひとつ消えていく


この世が幸福である理由が
ひとつひとつ消えていく


でも



感受性さえ閉じなければ
まだ感じられるものがある
幸福に生きるために