本日(7月1日)、スカイステージで宙組「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」宝塚千秋楽を観ました。

 

芹香斗亜さんを始めとする宙組生の熱気が画面からも伝わってきました。

カーテンコールでは、芹香さんの頬が濡れていて涙されたんですね。

 

昨年からずっと強い批判に晒されてきた芹香さん、辛かっただろうなあと思います。

SNSの時代になって誰でもが意見が言えるようになって、これって良いこともあるし問題もあると思いました。

 

 

 

初動の不手際から

 

有愛きいさんが亡くなって、ファンも大きな悲しみを味わいました。ショックと悲しみ、どうしてそんなことになったのか・・・

 

週刊文春の記事は、当初は新人公演のお稽古で有愛さんが深夜まで帰れない。

上級生の叱責と下級生の間での不満などが有愛さんに向いたとありました(2023年10月4日付)。

 

また、宙組のお話合いから、有愛さんが宙組内で孤立したことも彼女を苦しめたのではないかと思います。

私の友人に会社でトラブルがあって休んでいる人がいます。休んでいる間にトラブルの相手に悪い噂を立てられて庇ってくれた人も離れていった。それが一番辛いと言っていました。

 

徐々に文春記事が回を重ねるごとに、芹香さんと組長の松風輝さんにターゲットが絞られてきたように思います。

記事はリークをされた方の目を通して見たもの、それを記者がドラマ仕立てにした。いろいろな要因があるでは記事は売れないということでしょう。

 

その間、劇団は(息のかかった)大江橋法律事務所に調査を依頼し実態と合わない報告を行いました。

劇団の初動の不手際がご遺族への謝罪を遅らせ、芹香さんらへ批判が向く時間を与えてしまった。

 

天彩峰里さんに関しては、有愛さんにヤケドを負わせたこと、このことが発端だったことなどから、ずっと到底擁護できないと思っていました。

 

今回「大階段」を劇場で2回観ましたが、初回は天彩さんを見ることができませんでした。嫌いとかではありません。

2回目の観劇で、天彩さんが客席を見るとき、彼女の目線が探るような不安な表情で、舞台に立つ彼女も辛かったのだと思いました。

 

考えてみたら、星組から宙組への組替えも可哀そうでした。

 

 天彩さんへの同情

 

おそらく一時期は、星組で礼真琴さんの相手役候補の一人だったはずです。

絵本作家の永田萌さんが背景を描かれたショーの一場面で、礼さんと天彩さんが踊るのが可愛らしく、お二人は将来組むのかなと思いました。

 

天彩さんの組替え挨拶には、くやしさが滲み出ている感じがしました。

天彩さんが組替えした先には、同期の星風まどかさんがトップ娘役でいるわけですから、栄転ではなさそうに見えました。

また、星風さんが専科へ異動する「アナスタシア」から、潤花さんが宙組に来た。

おそらくトップ娘役を夢見ていた天彩さんにとっては絶望感があったはずです。

 

もちろんそれでアイロン事件を肯定することはできませんが、天彩さんのストレスが相当強かったことは想像できます。

 

アイロン事件について、ネットで書かれた記事を読むと、なんて酷いことをしてくれたんだと思いますが、実際に天彩さんを見ると彼女の弱さを感じました。

 

ネットでの批判はどんどん増えていくというのも特徴だと思いました。

宝塚歌劇を観たことがない方からもコメントをいただくことがありました。

 

 

人と人が対面すること

 

芹香さんや松風さんが辞めなかったことで「パワハラをした人は処分されるべきだ」という意見が多く起こりました。過ちを犯したのだから償うべきという考えはあると思います。

 

リーガル・サスペンスの傑作、スコット・トゥロー「推定無罪」はハリソン・フォード主演で映画にもなりました。

過ちは証明されるまで無罪です。

 

上級生の叱責はどの組でもあるでしょう。

有愛さんは3時間しか眠れなかったとあり、有愛さんの死に叱責がどれぐらい関わったかわかりません。

 

「会社なら当然辞めている」というのも一見正しいように思います。

会社は会社を守ることを優先して個人は切り捨ててしまうということです。

それが正しいのか一度立ち止まって考えてみる必要があると思います。

 

2022年12月の原田諒氏の文春報道から退職までの流れは、劇団が体面を守るため個人を切ったと見えます。

 

文春報道とそれに続いたネット記事は、芹香さんらを悪役に仕立て、ファンにイメージを植え付けました。

舞台に立つ芹香さんを始めとする宙組生の頑張りを観たら悪くは思えないのです。

人と人が会うということは大切なのではと思いました。

 

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