3月28日、昨年亡くなられた有愛きいさんのご遺族と宝塚歌劇団が合意に達し、ご遺族側代理人 川人博氏が東京で、阪急電鉄嶋田泰夫社長や歌劇団の村上浩爾理事長が大阪府内で記者会見されました。

 

お母様が「娘は我慢が足りなかったわけではない」「娘の尊厳を守りたい」と言われたことが強く心に残りました。

 

この合意内容について、SNSで様々な意見が見られました。

大きく分けて

(1) 合意が得られたこと、宙組の再開に安堵する声

(2) 上級生の処分がなかったこと(謝罪方法を含む)についておかしいという声

 

9月30日に有愛さんが亡くなってから、6か月の月日がかかってしましました。

もっと早くに合意に至ることもできたはずです。

 

 

 

劇団迷走のターニングポイント

 

劇団が、2021年「ヘアアイロン事件」直後に、有愛さんを組替えさせなかったこと、2023年2月週刊文春「ヘアアイロン事件」記事に対して「事実無根」と表明したことが、大きな2つのターニングポイントだったと思います。

 

どちらも共通するのは、「問題は何もない」とすることです。

組替えをさせると何か問題があるのかと思われる。

「ヘアアイロンがあたることはよくあること」で済ませてしまおう。

 

以前なら情報を極力抑えることで、風化させることができたのかもしれません。今は劇団内部からのリークがあり、イジメやおかしなルールまで明らかになってしまいました。

 

2023年2月、劇団ウェブサイトで「事実無根」と書かれているのを見て、「ああ、言っちゃった」「劇団らしい」と思いました。

ここから、「被害者も加害者もいない会見」「宙組内お話合い」と続いて、劇団の迷走が始まったと思います。

 

この迷走が治まったのは、ご遺族が過労自殺を多く取り扱ってこられた川人博弁護士を交渉代理人とされたのが大きかったです。

川人氏は記者会見という形で世論に訴えました。

阪急電鉄のような大企業に、一個人が立ち向かう難しさを今まで何度も味わってこられた。

大企業こそ、企業イメージを重んじる、そこが弱点だとわかっていらっしゃったのでしょう。

 

今回の有愛さんの死という痛ましい出来事が起こるまで、劇団が自ら改革に乗り出せなかったことはとても残念です。

宙組には、そのもっと前からシグナルが出ていました。

 

 

下級生の退団


宙組では、音楽学校文化祭で主演し期待されていた下級生が辞めることがありました。

ファンの間でも「どうして?」という落胆がありました。

 

週刊誌の取材にその方のお父さまが答えられて、イジメがあったことを述べていらっしゃいます。

 

 

 

宙組プロデューサーは、そういった事態をどう思われていたのでしょう。

まだ、スターでもないので気にもとめていなかったのでしょうか?

 

現在、宙組は5組のうちで一番生徒数が少なくなっています。

有愛さんが新人公演「長の長」(研7で成績一番)で、103期が二人になってしまい過重労働につながったことも、元は下級生の退団が重なったことが原因でした。

 

下級生同士の軋轢があるとしたら、それは大変繊細な問題だと思います。

しっかりと内部でケアをして欲しいと思います。

 

その下級生が辞めていなかったら、もしかしたら将来、宙組生え抜きのトップスターが生まれていたのかもしれない。

 

芹香さんに期待すること

 

SNSでは、パワハラを認めたのに退団などの処分が下されなかった上級生に対して、強い非難の言葉もありました。

 

宝塚歌劇団は、外部とは隔絶した組織でパワハラが恰もそれが正しいこととされていた。

生徒は中学卒業や高校から音楽学校、劇団にずっと在籍していることで、宝塚の感覚に慣れてしまっていた。

その生徒に責任を取らせるわけにはいかないという劇団の考えはわかります。

 

ただ、一般社会からは理解されないと思います。

できれば、トップスターである芹香斗亜さん、組長である松風輝さんは、今の気持ち、謝罪、悔恨、そしてこれからの思いを表明されるべきだと思います。

 

そんなことをしたら、また波風が立つばかりでそっとしておいた方がいいという考えもあるでしょう。

川人弁護士は、会見の時間が長くなって部屋の外でも質問に答えるという、その人となりも含めて、世論を味方に付けました。

 

宙組公演の再開を発表する前に、芹香さん、松風さんの今の思いを伝えることで、本来の人柄がわかれば共感を得ることができるはずです。

 

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