2月末までに、Aさんご遺族と劇団が合意に至らなかったことから、宙組「FINAL FANTASY XVI (FF16)」の上演が取りやめになったという記事が文春オンラインに出ました。
有名作品を持っているスクウェア・エニックスですから、企業イメージを守るためにも、手を引くのは仕方がないと思います。
和解はありえない苛烈な心情
2月中に、ご遺族と劇団が合意となること、これはスクウェア・エニックスからの公演実施の条件だったそうです。
2月に、阪急阪神ホールディングス会長 角和夫氏は「(遺族側との)交渉を続けて、双方、大きな違いはないところまできている。2月中には話し合いがまとまれば良いと思っている」と語られていたわけですが、かなり楽観的な見通しだったのですね。
この報道を受けて2月28日のご遺族代理人川人博弁護士の会見が開かれました。
質疑応答の中で、記者の方が「和解」という言葉を使われたのに対して
川人氏「和解ということはない。ご遺族の気持ちは和解という言葉では語れない。あくまでも合意するということです」(大意)と言われたのを聞いて愕然としました。
ご遺族は大切なお嬢さんを亡くされて、どんなに謝罪されても”和解”という気持ちになるはずはない。
悲しみや絶望、その先には怒りもあるでしょう。今も想像以上に苛烈な心情を抱えていらっしゃるのだと知りました。
Aさんの妹さんの訴えには、姉が亡くなって5か月、どうして劇団は未だに真摯に問題に向き合ってくれないのかという怒りがありました。
劇団は「15のパワハラ」のどの項目を認めたのかを公表しないとしていて、毎日放送のTV 番組で弁護士の方は、ここを不可思議としながら
「劇団がどの項目を認めるか明確にしないのは、訴訟も視野に入れていて、ご遺族がどういった証拠を持っているかによって、訴訟ではパワハラを認める項目を変えようとしているからかもしれない」と言われました。
あるいは単に、上級生が謝罪しないと言っているため、どの項目と明確にできないとも思えます。
川人弁護士は会見の中で、ご遺族は自分たちの言い分を100%認めないと合意しないのではないと言われています。
ただ、合意に至らない場合、川人氏は訴訟や国内外の人権救済機関への訴えも辞さないと言われました。
ジャニーズの場合、性加害問題が国連人権理事会に報告され、理事会から政府へ「エンターテインメント業界をはじめ日本の全企業が被害者救済や虐待への適切な対応をとるよう」と勧告がありました。
宝塚歌劇のパワハラ問題が、国際的に知られてしまうとしたら・・・
世評を味方に
劇団は2023年宙組「カジノロワイヤル」を世界配信しました。また、宝塚大劇場では近畿の大学の留学生を対象に、ご招待会もありました。
世界に宝塚歌劇を知って欲しいという思いを感じます。
その前に人権を蔑ろにする宝塚のイメージが国際的にできてしまうことは避けたいでしょう。
世界的に有名なゲームを原作とした宙組「FF16」も、世界を意識した作品だったのかもしれません。
「FF16」が上演できない場合、まだ新作オリジナル作品または再演作品を代わりにするということは考えられます。
ただ、謝罪なく公演を上演するというのは、宙組と芹香さんに対する世間一般のイメージを今よりも悪くすることだと思います。
退団後に芸能界をと考えられているのであれば、世評も大事にしないといけないと思います。
芹香さんが、どのように行動されるかが今注目されています。
芹香さんが謝罪されることを決められ、3月上旬のご遺族と劇団代理人との話し合いで合意となれば、ぎりぎり「FF16」上演ということになるのかもしれません。
会えば気持ちが通じる
ご遺族と劇団が合意することが一番だと思いますが、場合によっては訴訟へと進むのかもしれません。
一般人から見ると、訴訟になった方が真実がわかると思いますが、前出の弁護士によると「ご遺族は何があってAさんが亡くなったのか真実を知りたい。それには話し合いの場の方がよい」と言われていました。
訴訟だと利害が対立する場なので、お互いに不利なことは言わなくなり、ご遺族の真実を知りたいという希望が叶えられないということでしょう。
訴訟になれば、芹香さんが直接関係がないということが証明されるかもしれません。反対に裁判に負けることになったら、大変な傷が残ります。
私は芹香さんがご遺族に会われたら、お互いの気持ちが通じるところがあるのではないかと思います。
一方的に謝罪するだけではなく、こんな状況だったんですという説明もできるでしょう。
芹香さんがご遺族に会われることは、たいへん辛いことだとは思いますが、トップスターという立場を考えると、まずはご遺族と話されることは必要だと感じます。
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