「LUPIN 〜カリオストロ伯爵夫人の秘密〜」観劇しました。脚本・演出は小池修一郎氏。

小池氏が古川雄大さんのために作った新作ミュージカル。作曲は「1789」「ロック・オペラ モーツァルト」など数々のフレンチ・ミュージカルを生み出したドーヴ・アチア氏。

カリオストロ伯爵夫人を、柚希礼音さんと真風涼帆さんの役替りにして、男役リターンズの男装の麗人も話題になりましたね。

また、ミュージカルでヒロイン無双の真彩希帆さんと役者を揃えての公演です。

柚希さんカリオストロ伯爵夫人回を観ました。




 

 

宝塚を観るようなシーンも


冒頭からテンプル騎士団の末裔クラリス(真彩希帆)が、「騎士団の財宝」を巡る言伝えを歌います。美しい声が響き渡り、期待は最高潮!




この財宝を狙うルパン(古川雄大)と、カリオストロ伯爵夫人(柚希礼音・真風涼帆Wキャスト)の駆引き。

古川さんは、ルバンのシルクハットにマントだけでなく、新聞記者、貴族にも扮して楽しませ、宝塚歌劇のトップスターのようです。


また、タキシードの柚希さんと、ドレスの真彩さんが対峙するシーンは、んっ宝塚?という気がしました。宝塚時代は同じ舞台でお芝居をしなかったお二人を観られたのはムネアツです。

柚希さんの退団公演が、真彩さんが星組に組替えされた初めての公演とコメントから教えていただきました。


敵役ボーマニャンを演じた立石俊樹さんが、宝塚の男役のようにスレンダーでカッコよかったです。

2022年「エリザベート」ルドルフ(立石俊樹・甲斐翔真W キャスト)もされていたのですね。

歌も上手く、これから期待のミュージカル俳優。


 

 

新しい挑戦もあった


小池氏「カジノロワイヤル」には、過去の作品のオマージュ?焼き直し?がありました。

懐かしく感じる一方、小池氏の新しい挑戦はないのかと思い残念でした。


「LUPIN」では、柚希さんカリオストロ伯爵夫人と古川さんのタンゴがあり、柚希さんが男役さながらにリードしているようにも見えましたよ。

さすが柚希さん!


今回、特に新しいと思ったのは……

古川さんルパンが「マキシム・ド・パリ」の歌姫として女装して歌うのですが、高音部分が古川さんルパンが苦しくて、真彩さんクラリスがカゲソロする(時折、顔を出す)ところです。

お二人のコラボ面白かったです。


小池氏作品は今まで宝塚歌劇で先に上演して、帝国や梅芸に持って行くパターンでした。

「LUPIN」はアチア氏作曲でコストがかかっているので、「ロック・オペラ・モーツァルト」のように、後から宝塚歌劇で上演する可能性もあるのかなと思ったりしました。


 

 

アルカンシエルは大丈夫?

 

「LUPIN」を観て思ったのは、壮大な少年少女のための世界文学を観た感じです。

少年少女の頃に見た夢の世界がミュージカルになった。逆に言うと、大人の恋は描かれていません。


小池氏のオリジナル作品は、潤色の海外ミュージカルに比べて面白くないという印象があります。

子どもから大人まで楽しめるエンターテイメント性はあるのですが、感情を揺さぶるところが少ない。個人的には「Never Say Goodbye」は、感動もあり海外ミュージカルに近いのかなと思いました。


今回感じたのは、ルパンに対して共感を持ちにくかったことです。貧しい子ども時代が語られますが、それで怪盗ルパンが正当化できる?と思ってしまっいました。

宝塚歌劇で贔屓がルパンを演じた場合、既に贔屓に共感があるので、役に対する共感は薄くても大丈夫なのですが。


NHK「ミュージカルTV」で、井上芳雄さんが「ミュージカルには I wish song がある」と言われていました。本当の自分を君にだけ教えてあげるよ、だから共感できる。

ルパンの歌には「I wish song」はなかったように思うのですが……


次の花組公演の「アルカンシェル」(作/演出 小池氏)が心配になってきました。

柚香光さんが演じるマルセルなら、美しくカッコイイのは約束されていて、ダンサー設定なのでステキなダンスシーンもありますよね。


できればさらに、柚香さんの宝塚人生への想いを重ねることができるシーンがあるといいなあと思います。

 
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