本日(12月24日)、中日新聞一面に「宝塚に労基4回 割増賃金不払いなど」「労災は10年で90人規模」が掲載されました。

西宮労働基準監督署が、宝塚歌劇団に入ったのは2023年だけではなかったのです。

 

 

 

月城さんも労災か

 

労働基準監督署は、宝塚歌劇団に2000年以降、4回是正勧告を出していました。

 

2000年   5月 労働時間

2005年 10月 労働条件の通知関連

2013年   4月 時間外労働の不払い

2021年    9月 裁量労働制で働く一部スタッフの実労働時間を適切に把握せず。演出助手の休日割増賃金の不払い。

 

今までに、こんなに指導を受けていたとは驚きです。

スタッフの労働時間と時間外労働の賃金不払いに関するものでした。

演出助手は、演出家から仕事を依頼されると断われないのではと思います。

果たして今は改善されているのでしょうか?

 

また、10年で90人規模の労災があり、4日以上の休業が必要となったケースは10人以上とありました。

 

この中には、月城かなとさんが2019年月組「夢現無双 クルンテープ」でケガをされて、その後に長期休演されたことも入っていそうです。

一度、ケガをしてしまうと、ダンスなどに長く影響は残りそうです。

月城さんは何も言われませんが、動いたときに痛みや違和感がないことを願います。

 

劇団は、労災について「防止が重要な課題と認識しており、各種取り組みを行っている」と答えています。

 

また、時間外労働については、公演数を減らすことで対応が始まりました。

スタッフと生徒の労働時間はお互いに関係するはずで、これらの是正勧告があったなら、もっと早くに改革していても良かったと思いました。

 

 

 

現役生徒は感覚が麻痺


現役生徒「舞台や稽古は音楽学校の延長で、働いているという感覚は麻痺していた」

 

音楽学校を卒業しても「生徒」であるというのは、芸の道には終わりはない、精進していかなければいけないという思いからの呼び名でしょう。

 

一方、生徒であり、労働者ではないという心理が働きやすく、自主稽古は自己研鑽と考えられてきたと思います。

 

芸能やスポーツは、極めれば達成感もあり高い収入を得られ、やりがいのある仕事です。

2023年 大谷翔平選手は、メジャーでの活躍が桁外れで話題をさらいました。

日本ハムファイターズ時代を知る黒木知宏投手コーチは「本当によく練習して、全ての時間を野球のために使っていた」言われています。

 

本人が自分の意志で行うことと、システムに組み込まれて働かされることは違いそうです。

 

 

 

やりがい搾取とは

 

この記事の中で、労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」代表 今野晴貴氏は、「舞台への熱意を利用し劇団員に過酷な労働を強いるのは、やりがい搾取である」と述べられています。
 
生徒本人が、歌やダンスが上手くなりたいと思う気持ちが自主練習につながることはあるでしょう。
目標が高ければ、それだけ自身を高めていかなければなりません。
 
一方、深夜に及ぶ自主稽古が、自主でない場合もあると思います。 
この区別は難しく、生徒の心と身体の健康、権利を守るためには、生徒自身が主張できる環境が必要だと思います。
 
やっぱり「生徒」という呼び名は、変えてもいいように思うのです。
「劇団員」ならば、劇団にも意見が言えそうです。
 
「生徒」の地位が低いままだと、現在の状況が治まれば改革も忘れ去られるのではと思います。
そういう意味では、現場の声を常時劇団に上げることができるようになって欲しいです。
 
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