週刊文春電子版(11月8日)、上田久美子氏(元宝塚歌劇団演出家)のパワハラを訴えた演出助手Aさんの告白です。

宙組とは直接関係しないように見えますが・・・

演出助手Aさんというと、2022年12月週刊文春で原田諒氏のセクハラを訴えたAさんを思い出しますが、今回の演出助手はもっと前の2016年入団というので違う方です。

原田氏は月刊誌 文芸春秋の中で、復職を求める裁判をすると書かれていましたね。

 

 

 

演出助手Aさんの告白

 

演出助手の仕事が、激務で薄給なのは想像できます。宝塚歌劇への夢や愛がないと続けるのは難しいでしょう。

「二日徹夜から朝8時退勤」

生徒も夜遅くまでお稽古をしていますが、演出助手は生徒がお稽古場を出てから、バミリ作業(演者や道具の位置をシールを貼って示す)をするので、もっと遅くなってしまう。

Aさんは1年目をなんとか乗り切り、2017年の公演で演出家上田久美子氏の下につきました。

上田氏からの大量の指示に対して心休まることがなく、うつ病を発症してしまい3カ月の休職。

 

復職後に上田氏に挨拶すると

「どの面下げて戻ってきたの。向いてないから、やめた方がいいんじゃない」と言われた。

演出家として上田氏が仕事に厳しいことは、素晴らしい公演につながったと思うのですが、部下には優しさを示して欲しかったです。

Aさんが休んだことで、周囲に迷惑をかけたのかもしれませんが・・・

Aさんはその後退団されました。

 

紅さんがターゲットに

 

タカラジェンヌの労働組合的存在「女子会」・・・女子だけの飲み会ではないのですね。

そこでも、上田氏のパワハラが議題になり、その後、理事長から上田氏に口頭での注意がされた。

言葉は意識すれば少し良くなるのかもしれませんが・・・

 

2019年星組「霧深きエルベのほとり」は、菊田一夫氏作品を上田氏が掘り起こした秀作。

星組トップスター 紅ゆずるさんは船乗りカール、トップ娘役 綺咲愛里さんは名家の令嬢マルグリットを演じられました。ラストの船が出航するときのカールがカッコ良く、また悲しかったです。

上田氏は、連日宝塚大劇場公演後に大部屋に来てダメ出し、特に紅さんには16時から22時までという時もあった。公演後は疲れているので、指導はほどほどにして欲しいです。タラー

上田氏「順みつきの真似をしろ」・・・主演のカール役は、初演1963年(1967年にも再演)内重のぼるさん、1973年古城都さん、1983年順みつきさん。順さんの映像が残っていたからでしょう。

内重さんカールを観られた方からコメントで教えていただきました。

 

紅さんは傷ついたでしょう。

劇団はこれを重くみて、東京宝塚劇場公演では上田氏は出禁になった。

劇団は、紅さんがトップスターだったから対応したように見えます。一人の組子だったら何もしなかったのではと思ってしまいます。

 

上田氏は脚本家として、「月雲の皇子」「星逢一夜」「金色の砂漠」「桜嵐記」と多くの感動をもたらす作品を作られました。ご自身の思う理想と、演出助手や演じ手が違うときは手厳しかったと想像します。

作品作りに妥協しないからこそ、上田作品は今でも輝いているわけですが、人を育てることも演出家の仕事のはずです。

相手を見て、やり方を変える余裕があってもよかったのではと思います。

 

上田氏は文春の問合せに対して

「事実と異なる点が多くありますが、きちんと確認の上でご本人からの声があれば真摯に伺い、誠意をつくし対応したいと考えております」

ご自身の行いに恥じるところはないという印象を受けました。

「原田氏の報道」を経験して、一方的な言い分に振り回されないようにしなければと思いますが、「女子会」でも議題になるほどなので言葉がきつかったことは確かでしょう。

上田氏は、厳しい面が目立ってユーモアや優しさが上手く表に出ていなかったのかと思います。

 

 

劇団対応に内外で違い

 

Aさんは退団から1年以上経った2020年に、劇団を相手取って裁判を起こしました。

この件は約500万円で示談。演出助手3年目の年収の2倍、ハードな仕事なのに・・・

和解合意書には「ハラスメント案件が発生しないよう安全配慮義務を尽くす」、「第三者に口外しない」があった。

Aさんは、宙組Aさんの死が安全配慮義務違反にあたると考え、この件を明らかにすることにしたそうです。

 

Aさんが在団中に上田氏のパワハラを訴えても聞く耳をもたなかったのに、弁護士を通じて慰謝料を請求すれば謝罪も支払いもする・・・

2023年10月、Aさんは木場理事長に「2016年まで遡って調査してください」と手紙を送られた。

 

宙組Aさんも辛い心情を訴えていたのに劇団に取り合ってもらえなかった。

死を選んで明らかになって劇団はやっと調査に乗り出した。

 

劇団内の弱者は顧みない、その弱者が外に移ると社会の規範に従う。

今回の聞き取り調査後の劇団の今後の対応では、劇団内の弱者の立場に立って欲しいと思います。

 

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