週刊文春電子版(10月25日)では、Aさんが亡くなった約一週間後に月組の稽古場で木場理事長、梨花ますみ組長、Aさんの同期(103期)の生徒の発言が音声で出ました。

音声の中にすすり泣く声が入っていて、文字で読むより悲痛な現場の状況が伺えます。

 

 

木場理事長の憔悴

 

木場理事長は、ご家族の強い希望ですぐに皆さんに伝えられなかったことを詫びられました。

劇団内部もショックと対応で混乱していたと想像できます。

「出版社は言論の自由があり、なかなか対応が難しいのですが、生徒の皆さんそして宝塚歌劇を守っていきたい・・・」

言論の自由といっても、生徒を傷つけるような行為は止めて欲しいです。

 

梨花さんの言う「排除」「間違ったら本人が悪い」

 

この記事は、梨花さんの言われた「排除」という言葉を特に取り上げています。

最初、梨花さんが何かいけないことを言われたのかという印象を受けましたが、音声も合わせて聞くと尤もなことを言われています。文春の悪意を感じました。

 

梨花さん「いろんな規則も私たちのときにはなかった規則が今はあったりとか、無くしたのにまた変な規則ができたというのもいっぱいある・・・・変えていくべきことは変えていかないといけない。組として必要じゃないものは全て排除していきたいんです」

いつの間にかできてしまった悪しきルールについてです。

 

文春の見出しに”月組組長が内部説明会で「間違った本人が悪い」”とあって梨花さんが生徒を批判したと受け取られそうです。

梨花さん「新たに初舞台生に教えるために、皆さんの意見をちゃんと聞きつつ作っていって、間違ったら間違った本人が悪いんです。だから、上級生の教え方も悪いかもしれないけど、間違えた本人が、何がなんでも全部教えてもらうのではじゃなくて、自分たちで考えることをして、自分たちでちゃんと行動できるようになって欲しい」

 

梨花さん「本当、無理をしてじゃないけど、いっぱいいっぱいでやってる。それは見ていてすごくよくわかるから。下級生だから言っちゃいけないと思っていないし、組としてでもいいし、何かあるんだったら言いに来てほしいなと思っています」

 

梨花さん「自分が言われたときに、こういう言い方されて嫌だったなと思うことは、下にもしない方がいい」

自分で考えることで間違いを防ぐことができ、新人公演長の期への負担も減ると思います。

 

 

生徒の温度差

 

同期の生徒さん「さっき組長さんが仰ったように改善していくチャンスだから、そのために集まっていると思っていたんですね。・・・今日集まったときのあまりにもその温度差が違うと言うか、すごいショックで、悲しくて、もっと真剣に捉えていないのかなって、正直思っちゃったんですね・・・」涙声というか号泣で語られました。

Aさんを良く知っている生徒と名前しか知らない生徒では、ショックの度合いが違うと思います。

ただ、その温度差を感じると、さらに辛い気持ちになるのだと思います。

 

文春は同期の生徒と梨花さんの言葉を温度差と書いています。

梨花さんは組長としての立場からの発言であり、温かい人柄は皆が良く知っています。

 

2013年雪組「CONGRATURATIONS宝塚」東京千秋楽で退団する夢華あみさん。

そのとき、梨花さんの頬に涙の筋が見えました。

まだ、大階段を降りることができない学年での無念の退団でした。

 

おそらく、同期の生徒さんが言った温度差は、組内の生徒間の温度差を指していると思います。

 

文春は犯罪や社会悪に対するときは頼もしく感じますが、今回の記事ではことさら梨花さんを悪者しようとしているように感じました。そうすることでもっと興味を強めて売りたいということなのでしょう。

 

組長、トップスター、その立場によって言動は変わってくると思います。

芹香さんが10月19日の稽古場で明るく振舞っていたと批判されていますが、心の中は土砂降りの雨だと思います。芹香さんは辛さを周りに見せていないだけです。元気な自分を演じていらっしゃるのでしょう。

 

OG東小雪さんは、「一人一人が「あの厳しさがあったからスターになれた」と過去の言動を肯定して美化するのではなく、加害性に向き合うことが大切です」と語られていています。

その集団の中にいるときは、行う側も受ける側も加害性に慣れてしまっている。

これを変えるには、梨花さんが言われるように「一人一人が考える」ことだと思います。

 

音声データは文字で読み取れない心情を表していました。宝塚歌劇団109年の歴史で、文春は初めて稽古場の肉声を世に出しました。

これが特定の人を悪者にするのではなく、劇団を変えていく筋道を見つけていく道標になることを願います。

 

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