月組の次期トップスターと目される鳳月杏さん（92期）、「宝塚グラフ」表紙に1人写りする強い2番手なので鳳月さんが月組にいる限り上に組替えで異動できる人はいません。
鳳月さんは、かつて路線男役と思われていない時期がありました。
鳳月さんのトップスターへの道について考えてみたいと思います。
トップスターへの道
トップスターへの道があるとしたら、3つの道があると思います。
1つ目の道は「劇団推し」で入団まもない頃から、舞台で目立つ立ち位置を与えられ、新人公演主演を4回以上する方、いわゆる御曹司。
永久輝せあさん、暁千星さん、瑠風輝さん
2つ目の道は新公で実力が認められ一歩一歩ステップアップしていく方。
聖乃あすかさん、風間柚乃さん、極美慎さん
最後の3つ目の道は、今までの新公主演というハードルとは違う次元で評価された方。
鳳月杏さん、OGでは朝海ひかるさん、瀬奈じゅんさん、紅ゆずるさんがそうでしょう。
今日は、「第三の男」の魅力とは何かを考えてみたいと思います。
なぜ「第三の男」なのか
新人公演時代にまだ魅力が開花していなかった、組内に強い路線男役がいたなど、事情は違うと思いますが、朝海さんと鳳月さんは新公主演をされていないのに近いです。
朝海さんは研7までの新人公演はなく、研10の時に宝塚大劇場2000年雪組「凱旋門」を役替わり主演されました。このときは、各組主要メンバーがベルリン公演に行かれていたときでした。
朝海さんトップスターへの布石としての大劇場主演だったのかと思います。
朝海さんは、クールでスタイリッシュ、軸のぶれないダンス、お顔もハンサムでステキです。
後に明日海りおさんが、朝海さんに似ていると言われました。
お二人ともフェアリー系男役の魅力が、トップスターに導いたような気がします。
鳳月さんは2013年月組「ベルサイユのばら オスカルとアンドレ編」新人公演で、アンドレ（本役：龍真咲）を演じ、オスカル（本役：明日海りお）を煌月爽矢さんが演じました。
鳳月さんはトップスター龍さんの役で主演なのか？W主演なのか？アンドレなので2番手役なのか？難しいところです。
鳳月さんは、2012年月組「春の雪」では、宮家の子息、洞院宮 治典 王を演じて、研7で既に落ち着きと品格があり、大人の男性の片鱗がありました。
王が似合う男
鳳月さんが月組から花組に組替えされて本公演4作目、2016年花組「金色の砂漠」ジャハンギール王は、風格と色気があり、この人ならアムダリヤ（仙名彩世）が夫を殺され囚われても愛することになったことが納得できました。
鳳月さんが花組で演じたもう1つの王は2018年「あかねさす紫の花」中大兄皇子で、威厳の中にリーダーシップ力を感じました。
コメディからシリアスまで
明日海さん8作目「CASANOVA」、「恋するアリーナ」の後、鳳月さんが花組から月組に戻られて、明日海さんを支える役目が終わったのかなあと思いました。
鳳月さんは、月組ではトップスター珠城りょうさんの父親（I AM FROM AUSTLIA）から弟（桜嵐記）まで、お芝居の幅の広さを感じました。
月組で出演された作品では、2022年「今夜、ロマンス劇場で」個性が際立った俊藤龍之介が弾けていましたね。
「グレート・ギャツビー」のトムが愛人マートル（天紫珠李）に、自動車整備の店の前でキスをするシーン、鳳月さんがくるっと回って首を傾げてキスする姿が最高にキュンとなりました。
声にしびれる、歌に涙することは今までにもありましたが、キスで心がときめくことがあると知りました。
男役としての完成度
鳳月さんはスーツの着こなしは言うまでもなく、「万華鏡百景色」芥川龍之介の着流しもとても似合っていました。
男役としてのしぐさや、娘役をさりげなくエスコートするのが様になっています。
これから組むとしたら、どんな娘役さんと合うのでしょうか？
今まで共演された方だと、OGですが仙名さん、月組では彩みちるさんが似合っていたと思います。
大人の妖艶さも出せるような娘役さん。
鳳月さんには、大人の男の色気を感じる「大恋愛物」をお願いしたいです。
（「おとめ」で鳳月さんは「大恋愛物」を演じたいと書かれています。）
データでは測れない前例を超える男役の魅力が鳳月さんにはあります。
鳳月さんのような「第三の男」はそうそう現れない貴重な存在だと思います。
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