「グレート・ギャツビー」ステージ・ドアがスカイステージで放送されました。
当初の予定が変更されて放送が遅れていましたが、8月15日(月)から公演再開の目処が立ったのでしょうか。
初演の前には反対の声も
インタビューで、脚本・演出の小池修一郎氏「ヒロインの在り方が宝塚的でないということで、初演の5年前、最初に提案した時は反対された。」と言われています。
原作では、デイジーはギャツビーと出会って恋に落ちますが、ギャツビーがヨーロッパに従軍して時間が経つと、何人もの男性とデートします。 そして、プレゼント攻勢をするトムと結婚します。デイジーは寂しかったと思いますが、とても現実的です。
一途で健気な「宝塚の娘役」とは違いますね。
でも、女性ならデイジーの生き方はしようがないと思えます。
だって、ギャツビーは戦争で死んでしまっているかもしれないのです。
月城かなとの演技力
小池氏「彼女(月城)ぐらいの演技力がないと、微妙なところ、(ギャツビーは)愚かしいがゆえに愛おしい、魅力的であるというところを表現できないと思いますね。」
ギャツビーにすぐに共感できるかというと、なかなか難しいのですが、次回の観劇が叶えば、れいこさんの魅力と演技力でギャツビーを感じようと思います。
なぜグレートなのか?
「グレート・ギャツビー」というタイトルは、確かに不思議です。
社会的に見たら、巨万の富を得て成功したかもしれませんが、裏社会に生きた時点で、それによって泣いた人々がいたはずです。
小池氏「元は勤勉な少年が(デイジーのために手段を選ばずに)、デイジーに見合った人間になろうとした。・・・マイナスの要素を乗り越えて、ああいう風な生き方ができたのだったとしたら立派だったと言えるのでは。」
ギャツビーのデイジーだけを求める心、純粋に愛する心が「グレート」と言えるのかもしれません。
白いバラを捧げて
ギャツビーは、デイジーと再会して「君はバラより美しい」と言います。
この告白は原作にはありません。宝塚歌劇らしいロマンチックな場面です。
お芝居の最後に、デイジーはバラを・・・これは何を意味するかとても解釈が多いかと思います。
まだご覧になっていない方も多いと思いますので、具体的な場面については控えますね。
この場面は、小池氏が宝塚歌劇で上演するにあたって付け加えた場面で、原作にも映画にもない場面です。
ステージ・ドアというと
大道具や小道具の製作場面が、あるのが面白いですね。今回は、舞台に登場するクラシックな車の製作が紹介されました。なんと「ゴルフカート」が土台になっているそうです。
当時の車の形を再現して、ドアの内側には革も貼られていました。
映画「グレート・ギャツビー」では、アメリカの高級車デューセンバーグJが使われたようです。
石川県小松市に「日本自動車博物館」があります。約500台の世界の車が、年代物から新しいものまで展示されていて圧巻です。ダイアナ妃が日本に来た時に乗ったロールスロイスや、映画「ローマの休日」でアン王女が乗ったフィアットと同じ車種もありました。
ギャツビーが生きた1920年代頃の車も見つけられます。
小池氏の「愚かしいがゆえに愛おしい、魅力的である」という言葉が、ギャツビーを言い表していると思いました。
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