あの時
僕は気付いてしまったんです

罪悪感を神のように崇めることによって生きていることを

そして
罪悪感によってのみ
生かされていることを

それを認めないでいられるもの
直視しないでいられるもの
その生温かい未来を失った時

絶望と期待のさなかに漂う恍惚も喪い
何によって己が生かされるべきか
見失ったのだろう

以後の時日は
罪悪感と責務が無くなるという虚無への恐怖ばかり

だからこそ
未解決の未来は必要であり
それを手放す選択はできぬままだ
無機質な自己愛こそが
すべての元凶を招いた

だからこそ
流す涙は後悔の念であって
自己愛の範疇を超えない

だからこそ
君への恋慕は
一面的な範疇を超えないエゴ

許してくれという言葉
現実的に当てはまる台詞は
これしか用意されてはいない

俺には与えてもらった記憶しかなく
今さえ与え続けてもらっている
その現状に
自身を許しがたく思うとともに
免罪符をただただ求め生き続ける

感情もいらない
思考もいらない
ただただ
自身に課した責任と向き合う
深いから
闇が深いからこそ
入っていける

入っていけると言う我が身に
嫌悪感こそあるが

だからこそ
入っていけるこの真実

深い闇
相手とともに
浸っていこう
沈んでいこう

泥沼の
泥にこそ
真実があるだろう
自分の心を殺すな

自分の心を殺されるな

不可侵であるが故

保ち続けた聖域
この目 この耳

この手に残る

あの感触

たったひとつだけでも
蘇らせて
人に何かを伝えるのは難しい

僕はもう伝えることが
できなくなるが

僕の生は何かを伝えられただろうか

そして
僕が終わるということは

何かを伝え続けられるのだろうか

僕の生と死が
何かを伝え続ける限り
少なくとも
僕は存在し続けられる

そう
言葉を残し去った君
太陽は偽善者である

太陽は嘘つきである

太陽は動かない

太陽は出向かない

太陽は思いやらない

太陽はただ存在しているだけだ
ゴキっ、ゴキっと
その手その指砕いて候う

全ての骨を金槌で
砕いて叩いてこの体
やっと出来たのでございます

それ そこのおまいさん
ダラリと垂れ下がるこの手足
ひとつ触ってみてごらんなさい

骨や核やら
そんな主張がかさ張って
安寧と生きられないのでございます

ほれ みよ この体
ただ、海の流れに身を任せ
海中をさ迷うだけのこの体

この手この指この足も
全て砕き終えたで候う
ありふれた言葉ではあるが
理想と現実

甘っちょろい理想を掲げる奴は
ヘドが出る

その理想は
悪夢のような現実を知り尽くして吐かれたのか

その現実に向き合い
なお
理想を貫き
その想いを吐けているのか

結局のところの自己回帰

己の陳腐さに
もはやヘドさえでない