こんにちは。いつもありがとうございます。
商業出版エージェントの にのまえ遼です。
先回までのblogで…。
著者の出版目的を達成にダイレクトに繋がる層と、
出版社が出版企画書を見て、提案してくる読者層。
どっちを選ばないといけなくなった時は、
後者を選んだ方がいいですよ…というお話をさせて頂きました。
今回は、それを補足するお話です。
ご存じの方も多いと思いますが、マーケティングの世界で、環境分析の有名なフレームワークの一つに、「3C分析」があります。
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の三つの主要プレーヤーの状況分析を通じて、ビジネスのKSF(Key Success Factor=成功要因)を見いだし、自社の戦略を決定するためのものです。
と、小難しい話は、これくらいにして(笑)
シンプルに言うと、3C分析で理解しておいて欲しいのは、「市場」の中には、「顧客」と「自社」と「競合」がいるってこと。
そして、そのパワーバランスによって、ビジネスチャンスが広がったり、狭まったりするってことです。
同じテーマを、同じ読者層に対して書いている著者が多いってことは、「競合」が多いってことです。
で、競合が多いと、競争は激しくなる。
そうなると、一般のビジネスであれば、飛びぬけた強みや実績、競合と差別化できる何か、価格競争力なんかが無いと、なかなか消費者には選ばれませんよね。
本の場合、再販売価格維持制度で、定価販売が義務付けられていますから、価格競争(安売り)はできませんが…。
競合が多い市場では、飛びぬけた強みや実績、競合著者と差別化できる切り口じゃないと、売れる本にすることは、結構難しいってこと。
逆に言うと…。
競合が少ない市場だと、とびぬけた強みや実績、競合著者と差別化できる切り口でなくても、売れる本になる可能性は高くなるってことです。
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ここ、サラリと言っていますが、出版企画書を作る時、非常に大きなポイントです。
だって、売れそうな本の企画書に、出版社は弱いですからね。
一般のビジネスでも…。
売れ筋商品だからという理由で、簡単に取り扱うのは危険です。
だって、自社より、その商品シリーズの品ぞろえを充実させてたり、販売力が高かったり、サービスが充実している…なんて自社より実力が高い競合が、売れ筋商品には群がっているのですから。
そうなると…。
資本力や、機動力が弱い中小零細企業は太刀打ちできません。
つまり、同じ商品を取り扱ってても、あんまり売れない…ってことになってしまうのです。
出版もこれと似ています。
ある読者層に人気があるテーマがあった。
そして、そのテーマについて本を書ける資源を自分は持っている。
でも、人気があるテーマだからといって…。
そのテーマで、出版企画を作るのは、危険。
だって自分よりネームバリューがあったり、すでに売れてる本を書いている人が……「競合」がいるからです。
自分が持っている資源を活用して、同じテーマについて企画書を作るにしても…。
競合が少ないところを選んだ方が、出版社には魅力を感じてもらいやすくなるのです。
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