仕事をするのにオフィスはいらない
国立新美術館を設計した建築家の故黒川紀章さんは、
1960年代(僕が生まれる14年前)の終わりに『ホモ・モーベンズ』、
さらにその20年後の1989年には『新遊牧騎馬民族ノマドの時代』という、
書籍を刊行している。ちなみに『ホモ・モーベンズ』が書かれたのは
高度経済成長時代だ。
その頃から、故黒川紀章さんは、こんな未来を夢想していました。
ひとびとはもう土地や大邸宅のような不動産を欲しなくなり、
自分が求めるさまざまな価値を探して、より自由に動ける手段と機会を
持つことに生き甲斐を感じるようになるのではないか。
そうした人たちは社会の中でも、
あるいは自分のこころの内面でも、
あらゆる古くさい考え方や旧態依然とした体制に反抗して、
つねに新しい未来に向かって『動こう』としていくのではないか
黒川さんがその考え方をコンセプトに
設計したのが、『中銀カプセルタワー』(1972年)

C.黒川紀章建築都市設計事務所(写真:大橋富夫さん)
そして、1970年代に未来を夢想した
ジル・ドウルーズとフェニックス・ガタリ(フランスの思想家)
この二人もまた、当時の書物に、『新しい人間の生き方』を提唱している。
それまでの西洋哲学では、人間社会は着実に進化し続け、そしてその進化した
社会が大きな構造を造り上げているという世界観が一般的に支配層から
『都合良く思い込まされてきた』世界観です。
ピラミッドが土台から造られ、その上に少しずつ石が積み上げられて、
天空を目指して上昇していくという考え方。
俗っぽい言い方をすれば、
新入社員である若者が、企業の社会のオキテを学び、
その企業の歯車として組み込まれながら、係長から課長、
部長、そして役員へと出世の階段を上がっていくようなイメージです。
終身雇用制に守られ、企業の中で出世だけを考えていれば大過なく
人生を過ごすことができた古き良き時代は終わりを告げて、
一人ひとりが自分の『意思』と『裁量』で、
さまざまな人とつながってさまざまな仕事をこなしていく、
一定の場に定着して閉じこもっている『定住者』ではなく、
自由に動き、意外な場所で意外なものと出会い、結びつき、
新たなものを生み出す。
それがリゾーム(根茎)であり、このリゾームを渡り歩くことが
できる新しい時代の人間を『ノマド』と呼んだ。
ノマドとは遊牧民の意です。
1970年代、
黒川さん、ジル・ドウルーズ、フェニックス・ガタリは
そういうヒエラルキーの世界観に異義を申し立て、書籍として残した。
1980年代、フランスの思想家、
ジャック・アタリが『21世紀の歴史』という著書でノマドを論じる
そして、現在。
ネットの様々なツールを使い
さまざまな仕事ができる
そんな現実的世界にふれた書籍が
本書『仕事をするのにオフィスはいらない ノマドワーキングのすすめ』
この本書には僕も仕事で有効利用しているクラウド上のとても便利な思考に推進力を
加えるツールの紹介が惜しげもなく紹介されている。かなり役立つ情報に思います、
知っている人は利用しているとおもいますが、知らない人には
かなり役立つ情報書ですので、ビジネスにおいて一読の価値があると思います。
いつの日か
自由に動く
オフィスで自由に仕事する日も、そう遠くはないかもしれない。
仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)/佐々木 俊尚

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こんなクルマで(笑)
