宮崎康平さんとその妻和子さんのことを知ったということが最大の収穫の映画でした。

 

ざっとストーリーを。長くなりそうなので読み飛ばしてやってくださいね。
主人公康平(竹中直人)は荒唐無稽。やたらいばって怒鳴り散らす。
気にくわないと白い杖をぶんぶん振りまわす。(康平は目が見えない)
父の跡を継いで「島原鉄道」の社長になるものの、そのワンマン経営ぶりに周囲は振り回されてばかり。
そんな時やってきたのが、福岡のラジオ局で知り合った和子(吉永小百合)。
この和子にだけはさすがの康平はメロメロで頭が上がらない。
新しく発足した観光バスのバスガイドの教育をぜひ、和子にお願いしたいと頭を下げる康平。

康平の家に行くと、書庫にはぎっしりと「魏志倭人伝」やら「日本書紀」やら「チェーホフ」「ツルゲーネフ」「シェークスピア」やらあらゆる書物が色褪せ、ほこりをかぶり、クモの巣まで。
これを全部、読みたいだけ読むといいと、和子に言う康平。
本が大好きな和子は一瞬目を輝かせる。

康平には逃げられた妻が残していった二人の子供たちがいる。
まだ乳のみの子と、小学生の男の子。
ある日、和子が訪ねると、赤ちゃんを抱きながら「島原の子守唄」を唄う康平の姿が。
そこにはいつもの傍若無人の彼の姿はなく、哀れで子供想いの一人の男の姿だけがあった。

ある日、島原に集中豪雨がやってきた。
すさまじい暴風雨の中、目の見えない康平なのに一人で線路を調べに出掛け遭難してしまう。
たまりかねた和子は、康平を探しに行く。
そこには土器を掴んだ康平の姿が。
「わが郷土、島原は 遺跡の上にできた街!」と激流に流されそうになりながらも嵐の中叫ぶ康平。

そこから遺跡の発掘作業が始まる。
公私混同する康平に、ついに役員会で康平は社長の座から降ろされる。

島原から去ろうとした和子に康平はプロポーズ。
そこからのこの二人の生活は大変なものであった。
和子が目の見えない康平の為に、「魏志倭人伝」「日本書紀」を読んで聞かせる毎日。
幸せそうな康平の傍ら、お金が底をついて、食べ物をどうにか調達する和子。
資金を調達しに行った和子に、やきもちをやく康平。
たまりかねた和子はついに康平に生卵をぶつけて口をきかなくなる。

「まぼろしの邪馬台国」を探し出したい康平に最高のプレゼントが用意されていた。
段ボールと毛糸で作られた立体的な地図。
「私があなたの目になります」
二人の邪馬台国探しの旅が始まる。


 

「島原の子守唄」「まぼろしの邪馬台国」の作者 宮崎康平さん。
文学好きで、壮大なロマンを胸に抱え、その康平さんを理解した和子さん。
この和子さんが素晴らしい女性なんですね。
康平さんの為に尽くすのだけど、尽くすだけではなく、自分の気持ちもさらけ出せる。
生卵をぶつけるシーンなんかおかしかった。

 

康平さんはどんなにか、和子さんに助けられたか。
いばってても、和子さんなくしてはどうしようもない。
表には出さないけど、随分感謝もしていたでしょうね。

 

さだまさしさんの「関白宣言」の歌詞のモデルにもなったらしいですね。
愛を素直に表現できない日本男児(笑)
現在だったらどうでしょうね。イマの女性にはなかなか受け入れられないかもしれませんね。

 

吉永小百合さんは実際和子さんにお会いしたそうです。
実際の和子さんも苦労を苦労と思わず、康平さんとの生活を「楽しかった」とおっしゃるような方だったようです。

 

ロケが九州各地で行われたのですが、
そこも見どころの一つでした。
私、九州に憧れの気持ちはあるものの、残念ながら一度も行ったことがないのです。
映画を通して、ここが福岡、ここが長崎、ここが熊本と興味深く見てました。

 

宮崎康平さんは「まぼろしの邪馬台国」の本を完成させ、妻和子さんと夫婦で「吉川英治文化賞」を受賞。
夫婦というところが、何よりでした。

 

竹中直人さんの演技のすばらしさや、吉永小百合さんの美しさなどは、私なんか言うより
皆さんよくご存じでしょうから、まぁ省きますが、

 

由紀さおりさんが出ていたのが嬉しかったですね。
昔観た「家族ゲーム」という松田優作さん主演の映画に出ておられたのですが、
あの時、すごくいい味を出してて、かなり注目していたんです。
まぁその後も映画にちょっと出てはいましたが、今回は結構出番も多く、
あのとぼけたような味があって、ますますこれから映画の方にも出て欲しいな、と思いました。

 

邪馬台国がどこにあったのかって、それは映画を見てのお楽しみですが、
古代のロマンに想い馳せる楽しみがある映画でした。

 

「魏志倭人伝」
学校で習ったことがありますが、
興味のある「三国志」の中の「魏書」と知り、吉永さんの美しい朗読を耳にし、
その文章の響きの美しさにうっとりしました。
これは吉永小百合さんならではの「朗読」。

 

彼女が卑弥呼の姿になって、佐賀県の吉野ケ里遺跡で撮影されたという場面。
いままでの卑弥呼のイメージが180度くらい変わるくらいの美しく優しい卑弥呼の姿がありました。
本当に吉永さんは美しい!!