アイルランド、1920年。
ある若者は自分の名前をイングリッシュではなく祖国ケルト語で名乗っただけでイギリス兵に殺されてしまった。
彼のお葬式に歌われた歌、「麦の穂をゆらす風」。
その中の一節。

ふたりの絆を断ち切る辛い言葉は
なかなか口にできなかった
しかし外国の鎖にしばられることは
もっとつらい屈辱
だから私は彼女に告げた
「明日の早朝あの山へ行き、勇敢な男たちに加わる」と
静かな風が峡谷をわたり麦の穂をゆらしてた(歌詞2番より)

主人公デミアンは、大国イギリスにアイルランドのようなちっぽけな国がかなうわけがない、と思っていたのだが
あまりにも理不尽なイギリス兵に腹を立て、医者への道から、
兄テディと共に、アイルランド独立運動に身を投じる決心をする。

 

映画に出てくる人々は特別な人たちではない、普通の市民ばかりです。
自分たちの貧しい暮らしを守ろうとして戦います。

 

やがて、敵は大国イギリスから、アイルランド国内の内戦へと移っていきます。
それは、肉親である兄と弟も引き裂き、敵、味方となって戦う戦争へと・・。

 

イギリスが自分たちに有利に運んだ講和条約は、結局普通の市民たちに幸福は与えられず
子供たちは栄養失調。
兄のテディはイギリスと手を結ぶのがアイルランドにとっての生きる道と考え、
弟デミアンは、イギリスとの条約は貧しい人々は救えないと考え、真っ二つに分かれます。
映画の中でデミアンが言ったセリフが胸に突き刺さります。

 

何の為の戦争なのか、誰の為に戦うのか

 

昨日までの仲間が今日は殺しあうそんな悲惨なことって。
皆愛し合っているのに!

 

でも彼らの流した血の涙は無駄にはならなかったと思います。

 

一番いいのは、戦争を起こしてはならないこと。
大国が、弱い国を支配してはならないこと。

 

戦争にまつわる悲劇は今も世界中に起こっています。
近くでは北朝鮮の問題。

 

平和を願うのは皆共通する願い。

 

クリスマスの朝、願うことは、早く世界に平和が訪れますように。
子供たちに明るい未来がありますように!

 

この映画を観終わった後も、何日か経った今でも、ずっと強い感動(衝撃)が心にあります。
一般市民が銃を手に取り、草原に身を潜めた姿や様々なシーン、
「麦の穂をゆらす風」の歌が頭の中焼きついています。

 

映画は満場一致で2006年カンヌ映画祭パルムドール受賞となったそうです。

 

製作年度 2006年
上映時間 126分
監督 ケン・ローチ
出演 キリアン・マーフィ 、ポードリック・ディレーニー 、リーアム・カニンガム 、オーラ・フィッツジェラルド 、メアリー・オリオーダン 、メアリー・マーフィ