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話題の映画、『太陽』を観ました。

 

何とも感想を書きにくいのですが、
これだけ、日本国中、誰もが知っている人物でありながら、本当のところは解ってないのでしょうか。
とっても興味があって見ました。

 

監督はアレクサンドル・スクーロフというロシアの監督。
昭和天皇は、一人芝居で有名なイッセー尾形が演じてます。

 

沖縄の激戦や東京大空襲、広島への原爆、などは
映像として何一つ出てきません。
天皇が夢に見たという”空爆のイメージ映像”と、
瓦礫の廃墟の街。(日本にはとっても見えなかったのですが)だけが出てきます。

 

天皇の暮らしは、地下の薄暗い退避壕と、研究所の中での侍従や助手に囲まれた暮らし。
朝の食事風景や、御前会議や、蟹を研究する姿があります。
面白いのが、机に向かって、家族アルバムを開き、そのアルバムにはアメリカのスターの写真、
とりわけ、チャップリンと、ヒトラーの写真を手にして見るところ。

 

チャップリンと昭和天皇の組み合わせが面白い、と思っていたら、
アメリカ兵が、写真を撮る時、サービス精神たっぷりにおどける彼を見て、
「まるで、チャップリンだ!」と言うシーンが後で出てきて、観客にも笑いがこぼれました。

 

「あ、そう。」と言うしぐさをするイッセー尾形はそっくりでした。
イッセー尾形なくして、この映画は誕生しなかったかも。

 

映画は、天皇の独り言や、窓の外の月を見る天皇の姿で
孤独、神格を捨てようする決意、平和の願いを
観ている私たちに、想像させるような作り方でした。

 

劇的なドラマも、ありません。
侍従長を演じる佐野史朗だけが、「お上!」と話かけ、時には影からじーっと見守ってます。

 

マッカーサーとのディナーでは、熱心になまずの話をする天皇の、子供のような純真な姿に
マッカーサーが、天皇に対して、好意を持つようなそんな感じが伝わってきました。

 

天皇が皇居に帰ってから、窓の外の月を背景に
「私は、神格を自ら返上する」
とつぶやくところに天皇の苦悩を伺い知ることが出来ました。

 

日本では、決して作られることがないであろう、映画。

 

本当は、もっともっと劇的に作れば面白い物になっただろうに、
これだけ、押さえられた作りにしたのは、”神だった”天皇を敬う意味もあったのかな、と思わされました。

 

でも、日本人にとって、最も興味深い人物であろう天皇の映画として
観て良かったなーと思える映画でした。

 

皇后には桃井かおりが、何とも言えないユニークな雰囲気で出てます。