モンゴルというと、漠然と草原を思い浮かべます。
そこに住む人々のことは全くといっていいほど知りませんでした。

 

この映画はモンゴルの遊牧民一家の生活をドキュメンタリータッチで描いているのですが、
とにかく主人公の6歳のナンサをはじめ、赤いほっぺの子供たちがかわいくって仕方がなかったです。
「黄色い犬の伝説」というおばあさんが語る古い輪廻転生のお話が、映画の根底に流れています。

 

「ゲル」と呼ばれる可動式のテントのような家の中は、ベッドの所に馬の絵が飾ってたり、
赤い模様のついたかわいいタンスが置いてあり、クッションにも刺繍が施され
とても居心地良さそうな家です。
お母さんはデールと呼ばれる民族衣装を手動のミシンで縫ったり、
ヤギのミルクのような飲み物を鍋で沸かしたりしてます。
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家から一歩出ると、だだっ広い草原が広がってます。
家の外ではチーズを作ったり
牛糞をつんで、火をつけ生肉をあぶったり。

 

ナンサはお父さんに内緒で子犬を飼うのですが、
この子犬ツォーホルがこの映画のもう“一人”の主人公なのです。

 

誰かに捨てられた子犬はオオカミと暮らしたかもしれない、オオカミを呼んでくるに違いない、と
お父さんは飼うことに反対でした。

 

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ツォーホルと別れがやってくる時のナンサの悲しげなことと言ったら。

 

残されたツォーホルはあることでお父さんの信頼を得ます。

 

この犬がすばらしい演技をします。
お父さんに嫌われていると知ってて、なかなか近づかないツォーホルにおいでとするお父さん。
大丈夫だと分かった時のツォーホルの嬉しそうな表情。
うまいなぁと思っていたら、カンヌ映画祭でパルムドールならぬパルムドッグ賞を受賞したそうです。

 

昔の様式で暮らす一家にも、プラスチックの容器や、電動のオモチャなども入り込んできます。
お父さんは町で働きたいと言って、お母さんは、この暮らしも悪くはないわよ、と言います。

 

なかなか、昔の生活様式を守っていくのは難しいものがあります。

 

最後、ゲルを解体して、何頭かの牛に荷物を積んで移動する所は見ものです。
一見の価値があるかと思います。
無駄を省いて最低限の家財道具で暮らして行きたいものだと思いました。

 

お話は割と淡々としているのですが、見てると涙が流れてきました。
癒されるというのか、これが理想の家庭の姿だな、と思いました。

 

大好きな映画の1本となりました!