昭和33年の東京のお話し。
集団就職がさかんで
白黒テレビがやっと一般庶民の家にやってきて、
でも、まだある家は少なく、
氷の冷蔵庫が電気冷蔵庫へ、
空き地では、つぎはぎした服を着たこどもたちのフラフープ姿。
みんな貧しくとも明日への希望で活気溢れてたあの頃
ノスタルジックな切ない気持ちとともに、溢れ出てくるこの涙は
もう失われてしまった、人と人とのふれ合いに
今さら、思い出し感動させられ出てくるのだろうか。
上野駅の昔の看板がスクリーンに現れた時
自分があの日田舎から上京してきた時のことが目に浮かびこれまた涙。
どの場面、どの場面にても
きっと、自分を重ね観ている人の懐かしい気持ちを掴んでそれぞれ泣けてくるのだろう。
この堤 真一演じるお父さんが、あの当時の頑固で厳しい父親であり
薬師丸 ひろ子のお母さんが、あの当時の優しいお母さんだ。
吉岡秀隆はこの映画の役が彼の持つひょうひょうなとぼけた味を出しててすごく良かった。
「半落ち」の裁判官役の時はあまりにも、彼と役とのギャップがあったのだが、
やっぱりこういう役の方がいい。
小雪も秘めた哀愁を持つ、しかし明るい役にぴったしだったし、
赤いほっぺのろくちゃんこと六子役の堀北真希は
現代っ子ぽかったのだけど、ちょっと気の強いそれでいて、センチメンタルな部分も持つ役を上手く
演じて、こちらもまた、笑いと涙を誘われた。
なんと言っても泣かせるのはあの二人の子役。
駄菓子屋さん、少年雑誌 、と共に、自分もいつしか、子供の頃にワープ。
そして、映画の中、あの子供二人と一緒にはらはらしたり、悲しくなったり、嬉しくなったりしていた。
最初はまだ建設途中の東京タワーが、ドラマとともに建っていって
ラスト、赤い夕日の中完成したタワーが出た時、
登場人物たちが、各想いをもって眺める姿と一緒に
私も、それこそ声を張り上げて泣きたくなった。
もう一度、失われてしまったものを、探しに行こう。
