あらすじ: パリ在住の80代の夫婦、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)。共に音楽教師で、娘はミュージシャンとして活躍と、充実した日々を送っていた。ある日、教え子が開くコンサートに出向いた2人だが、そこでアンヌが病で倒れてしまう。病院に緊急搬送され、かろうじて死だけは免れたものの、半身まひという重い後遺症が残ってしまう。家に帰りたいというアンヌの強い願いから、自宅で彼女の介護を始めるジョルジュ。しかし、少しずつアンヌの症状は悪化していき、ついに死を選びたいと考えるようになり……。

 
映画を観てからちょっと時間が経ってしまいました。
 
愛する妻の願いを訊き入れ、自宅介護する夫。
これまでの生活が一変してしまいます。
 
パリのアパートに住む二人。
私が今住んでいるところに比べたら、格段に広いし、車イスも動かせるスペースはあるものの、
自宅介護だと何かと不便なことは映画を観てて感じました。
 
自宅介護するということは、よっぽどの覚悟が必要でしょう。
やはり、そこに「愛」がなければ、なかなかに大変なことだと思います。
 
映画は、淡々と語られていくようでした。
 
重いテーマなのに、時間が静かに流れ、しかし、確実に状況は悪化していきます。
 

人生はつらいものだ

 これまでの二人の歩んできた、生活。
壁いっぱいの本棚や、絵画たち、アンヌが弾いていたグランドピアノなどが、すばらしい日々を物語っているようでした。
 
夫に課せられた、介護という大変な役割。
 
娘の助けも借りずに、一人で介護します。
食事もつくり、トイレも。
 
でも、やはり、お風呂の問題などが起きて、ヘルパーを頼むのですが、気にいらない。
 
ある時、窓から鳩が飛び込んできます。
 
夫が鳩をつかまえて、逃がしてあげるのですが、
 
その鳩に、きっと妻を重ねているのでは、とも受け止めました。
 
妻に水を飲ませようとして、嫌がる彼女を思わずたたいてしまうシーンがあります。
 
どんなに愛していても、理性より、時には、感情が先に出てしまう。
 
それは、決して彼を責めることはできないでしょう。
 
世間のニュースでよく聞く介護疲れから起こる事件。
 
決して、他人事ではない。
 
でも、この映画は何かを訴えかけてくるというわけではない。
 
ただ、見終わった後の余韻はずっと心の中に広がっていって、
 
それは、二人の愛の姿に感動となって変化していくようでした。
 
自分のこれからのことも考えさせられます。
 
アンヌを演じたエマニュエル・リヴァは、この映画で、アカデミー主演女優賞における史上最年長(85歳)でノミネートされました。
 
だんだん、症状が悪化していく様子をリアルに演じてて、すばらしかったです。
 
 
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(C) 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinema - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk
第65回カンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルムドールに輝いたヒューマン・ドラマ。長年にわたって連れ添ってきた老夫婦が、妻の病を発端に次々と押し寄せる試練に向き合い、その果てにある決断をする姿を映し出す。『ファニーゲーム』『白いリボン』の鬼才ミヒャエル・ハネケが、沈痛かつ重厚なタッチで追い詰められた老夫婦が見いだす究極の愛を浮き上がらせていく。『Z』『消される男』のジャン=ルイ・トランティニャン、『トリコロール/青の愛』のエマニュエル・リヴァと、フランスが誇るベテラン俳優が老夫婦を演じているのにも注目。[もっと詳しく]
基本情報
原題:AMOUR/LOVE 製作年度:2012年