簡単なストーリー
主人公倉島英二は富山の刑務所で作業技官。63歳
妻洋子53歳は悪性リンパ種。余命六ヶ月と宣告され、五ヶ月経ち、
「最後の帰宅」。そして永遠の別れ。
「告知」を望んでいたとはいえ、
時間は棘のようにいつも夫婦に突き刺さってくる。 (文面引用)
「余命宣告」された洋子が愛する英二のためにしたためた二通の手紙。
一通にはたった一行の遺言。
《わたしの遺骨は、故郷の海にまいてください》
もう一通は、長崎の郵便局の局留めで、これから投函すると、『NPO法人 遺言サポートの会』の 女性から告げられる。
受け取れる期限は到着後から10日間。
英二は富山から長崎への旅をすることに。
洋子が余命宣告されてから欲しがって買った中古のキャンピングカーでの
旅がはじまります。
二人の出会いが刑務所に歌手として慰問で訪れていた洋子のステージ。
十八番(おはこ)が、「星めぐりの歌」宮澤賢治が作詞作曲した唄。
洋子の人柄を思わせられて、ステキな出会いだな、と思いました。
英二の旅で出会う人々は
みんないろんな人生を背負っていて、
中でも印象的なのが、山頭火の句集を持ち歩いている元高校教師。
男が口にする山頭火の句が、その場面場面にぴったりくるようで想像もふくらむようでした。
ちょっとワケありな教師です。
寡黙な英二なのですが、誠実な人柄に、はじめて出会う人でも引寄せられるものがあるのが感じられてくるようでした。
キャンピングカーで富山から長崎薄香まで行くということ。
それは、これから生きていく英二のために用意された旅のプレゼントだったのでしょう。英二は洋子の好きだった風鈴も乗せました。
風鈴は時折、凛。と鳴ってます。
旅の終わりに読む洋子の手紙。
死を宣告された彼女が、死を受け容れて、したためた手紙です。
この手紙に泣けました。
それと、海への散骨。
洋子の英二へのメッセージも感じられました。
私はいつでも逢えるのよ。と。
読後感がとっても良かったです。
53歳という若さで洋子はあの世へと旅立ちますが、
私も自分のことのようにいろんなことを考えました。
ちゃんと、いろんなことを整理しておきたい。と。
8月25日公開の映画もとっても楽しみです。
各地のロケ、役者さんたち、キャンピングカー。
そして、何より、この主人公と重なって見えてくる高倉健さん!!
早く、健さんにも逢いたいです。
