桜花と別れてから少したった。

いまだに夢は見つからない……

一体どこにいやがんだよ……

そういえば、服やさんに行くといってここにきたんだったな

って事は、服やさんをまわればもしかしたら……

そう考えて俺は、一回から順に服やさんを回っていった。

しかし見つからない……


ピロロロロロロ……


聞き覚えのある電子音。

そりゃ聞き覚えがある。俺の携帯だ。

メールが来ていた。


『あんたが探していた子。三階にいたわ。

 きょろきょろ周りを見渡していたから

 尋ねてみたの。正解だったわ。

 ベンチ前にいるから』


というメールだった。よかった。

ん?ちょうどいい。

俺は返事のメールを書いた。


『お願いがあるんだが、

 その子の服一緒に決めてあげてくれないか?

 その子の服を買いに今日は来たんだ。』


しばらくして、返信が来る。


『まぁ……。暇だしいいわ。

 あんたはどうすんのよ?』


『用事が終わり次第向かう。

 三階の服屋で決めておいてくれ』


ま、決めてもらっているうちに二人に

飲み物でも買いに行こう。

俺は、一階のスーパーに入り、安いジュースを

2本と自分用に「花伝」を買い

ゆっくりと二人のところに向かった。


その途中、ふと横を見ると、俺を手招きしている

怪しげな占い師がいる。

俺は、気になって近寄ってみる。

「あなたから何か特殊なものが感じられますぅ」

この声……

「母だろ」

「私は母親ではぁ――

「母よ。なにをしているんだ。」

「だからわたしわぁ!!お母さんじゃないですよぉ!」

完全に母だ。

「なら、十香さん」

「むぅ。下の名前で呼んでも無駄ですぅ。

 どうでもいいからこれをもっていきなさいぃ!」

母から、なぜかネックレスをもらった。

「これは?」

「本来の大切な人にあげてねぇ」

いつもどうりゆるいな。

「ところで母よ」

「んん?」

普通に返すんかい!まぁいいや。

「新しい商売か……?」

「ぶぅ」

ぶぅっていわれてもなぁ。

俺はそんな母を軽く無視して三階に向かった。

なぜ母はあんなところにいたんだ。

ここで何か起こるのか?



三階につづいていたエスカレーターの

すぐ目の前が服屋さんで、

二人の姿は探さなくとも声でわかった。

「これ似合うと思うんだけどなぁ!」

「わ、私にはこれはちょっと……」

いつもどうり強引な桜花である。

ゆっくり近づいていくと、

俺の目線にとあるものが写る。

「何だこれは」

「服よ」

「それはわかってる。俺が聞いてるのは

 何だこの量は!!」

そこには、台車のかごの上下に

大量の女性洋服が無造作に放り込まれている。

「……多いですよね」

「多くはないとはいえないが。

 まぁ……お金は十分あるからな……」

正直、全て使いそうな勢いだ。

「女の子ってのは、外見に気を使うものなのよ!」

それは承知しているつもりだった。

そしてそのまま、レジに持っていくこと数十分。

店員さんの激闘が終了し、俺はお金を払った。

代金は聞かないこと。

散々だ。とでも言っておこう。

「ありがとうございます!」

「いや、かまわないよ。」

この笑顔にはとうてい勝てそうにない。

「あ、桜花!」

―無反応―

いや、むしろ悲しげな表情のまま下を向いている。

どうしたのだろう。

「桜花?」

やっと気がついたのかこちらを向いた――

「ごめん。ちょっと用事あるから……」

そういって、すぐ走り去ってしまう……

走り去ってしまうのはいつもなのだが、

今回はいつもとは違った。

桜花の振り向きざまに散った輝き。

――涙。

あいつがなくなんてなにかしたのか。

「夢。ちょっとこれもっててくれ!」

「え!あ、うん」

俺は荷物を夢に預け、ひたすらにはしった。

確かこっちだったはず。

この感覚だけを頼りに追うかを探した。

その先は―


ジリリリリリリリリ


「火事だ!!火事だ!!」

デパートは一気に火の海と化していた。

でも、桜花はこの先のはずなんだ、

俺の中の何かが叫んでいる。

他人の声や、火炎を無視して俺はとある場所についた

【関係者以外立ち入り禁止】

そう書かれた場所。そこが見たところ着火点のはずなのに

火の通り方がおかしい。

俺は、焼けている扉を蹴飛ばした。

その先には――


ギャァオォォォォォォ


と、鳥!?

何だこれは!火の鳥!?

フェニックスってやつか!?

くそ、また魔物か!?

いや、魔物のような禍々しさはない。

むしろ清々しい。なんなんだ。

俺の頭は熱さなどでうまく作動していないみたいだ。

そんな時、フェニックスから何かが落ちる。

それは地面に落ち美しい輝きを放ち散った。

これをどこかで……

―涙―

そう、涙だ。

もしかして……考えたくはないが……

もしかして――こいつ!!


ギャルルルルルル


後ろを振り向くとそこには――

「ゆ、夢!!」

黒狼と化した夢がそこにはいた。

黒狼は俺の声を無視するかのように、

フェニックスに飛び掛る。


「やめろ!!そいつは!!!」