「国際税務の専門家」/山條隆史です。ふるさと納税も詳しいです。
外資系日本子会社設立もお任せください!!
(前振り)↓ ここは飛ばして(本題)に進んでも構いません。↓
会社命令で海外から日本に駐在するビジネスマンは、その業界により違いますが、だいたい3~4年で日本での勤務を終え、本国に帰国します。
日本で働いたことで得た給与は、日本で課税されます。会社が住宅家賃や日本での税金を負担してくれる場合には、住宅家賃や税金も経済的利益として給与所得に上乗せされ、課税の対象となります。
過去10年以内に日本に5年以上住んでいる人以外の人(=「非永住者」といいます)の課税の対象は、国内で働いた分の給与に対して課税されるという規定になっています。正確にいうと、「国外源泉所得以外の所得及び国外源泉所得のうち日本国内で支払われ、又は国外から送金されたものが課税対象とされる」ことになっています。
難しい話は措いといて、
(本題)↓ ここも定義等の解説なので、(具体例)に進んでいただいてもOKです。↓
こうした外国人駐在員が帰国する場合、日本を出国する日までに会社が年末調整をするか、本人が確定申告をしなければならないことになっています。ただし、納税管理人を出国の時までに定め、税務署長に届出をしておけば、確定申告の期限は翌年3月15日までとなります。
サラリーマンである外国人駐在員の帰国は急に決まることも多いし、給与や経済的利益の計算が間に合わないことも通常なので、納税管理人届出をして、確定申告は来年の3月15日までに行うことにするというケースが多いです。
しかしながら、帰国の時期によっては、納税管理人届出をしたとしても、年内中に確定申告と準確定申告をしておいた方がよい場合もあります。
※「準確定申告」とは、通常は、亡くなった方の所得税について相続した人が代わって申告することを言いますが、出国者(=外国人駐在員など)が帰国したあとの期間の所得税についての申告も含まれます。
たとえば、4月に帰国した人の住民税(=前年の所得に対して1月1日居住の地方自治体が課税する。1月1日現在で納税義務が発生している)は5月に自治体から通知され、6月から納税が始まります。こうした住民税を会社が負担してくれる場合には、その住民税が経済的利益として給与所得課税の対象となります。このような所得については、帰国後も日本の所得税の確定申告と納税の義務があるのです。
そのため、日本に住んでいた期間の所得税は「非永住者」としての確定申告、出国後の所得税は「非居住者」としての準確定申告となります。
(具体例)
<前提>日本における家賃や税金はすべて会社負担
4月30日に帰国することが決まり、帰国前に納税管理人の届出をしています。前年の所得に対する納税は確定申告とともに3月15日に済んでいます。住民税は1回目の納付期限である6月30日までに会社が全額納付しました。
<確定申告>
帰国前の所得に対しての課税ですので、4月までの給料や家賃負担が課税対象です。3月15日に会社が納付した前年分の所得税も経済的利益として、確定申告の対象です。
<準確定申告>
日本を出国後(=非居住者となっている)の6月30日までに会社が納付した税金が非居住者としての所得税の確定申告の対象となります。この分の所得に対する税金も会社負担となりますので課税対象です。税金負担→所得の発生→税金負担…という流れが無限に続きますので、グロスアップ計算という手法でこの流れを止める計算をします。
※グロスアップ計算例
非居住者の税率は20.42%です。100万円の税金を会社が負担する場合、100万円を税引き後利率(79.58%=100%-20.42%)で割返すと無限連鎖から抜け出せます。
100万円÷79.58%=1,256,597円←課税所得
1,256,597円×20.42%=256,597円←追加税金
1,256,597円-256,597円=100万円←会社負担の住民税
■ケース1:確定申告を翌年3月15日に行った場合
今年の所得にかかる所得税の納税が翌年になるため、さらに所得税負担が翌年の所得となって納税が発生します。準確定申告は、(1)6月に払った住民税に対する申告と、(2)翌年3月の税負担の2回の申告が必要となります。
■ケース2:確定申告とその分の納税を年内に行う場合
今年の所得にかかる確定申告を今年中に行い納税まで済ませます。そうすると、準確定申告には、6月に払った住民税と今年分の所得税が経済的利益として申告対象となりますが、1回の申告で完結します。すなわち、来年の準確定申告は不要となります。
実際の作業手順としては、今年の所得にかかる確定申告を今年中に行い納税まで済ませてから、その翌日以降年内に、準確定申告の申告書の提出と納税を行います。
(結論)
出国時までに確定申告をして税金もすべて納付してしまえば、準確定申告をする義務はありませんが、現実的には無理な話です。そのため、本題のようなお勧めとなります。
「国際税務の専門家」/山條隆史です。ふるさと納税も詳しいです。
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会計事務所は12月年末調整作業に追われています。
毎年のことながら、資料の提出漏れや記載漏れが少なくありません。それも毎年だいたい同じ人です。「来年は〇〇の記載漏れ、書類の添付漏れのないようご留意ください」とお願いしても、だいたい同じことの繰り返しです…。
サラリーマンにとって年末調整はちょっとした楽しみでもあります。半分より多い人たち(=実際にはもっと割合が高い感覚です)に税額の還付があります。
これは、毎月の源泉徴収税額が、扶養控除等を勘案して12か月で1年分を天引きしてちょうどよくなるよう見積もられて控除されているのに対して、年末調整で生命保険料控除や地震保険料控除が加わり、年税額が見積額より小さくなり、控除し過ぎ分が還付されるためです。住宅ローン控除が適用される人は特に還付額が大きくなり、一種のボーナス的な感覚になっています。
というような状況で、「去年の年末調整還付はこれくらいだったから、今年もそれくらいはあるだろう」と期待している人が、予測していた金額よりも小さい還付額だったり、ましてや逆に徴収(=不足していたという理由で12月分をいつもより多く控除)されると、決まって、「計算信じてますけど、何か間違えていませんか? もう一度確認をお願いします!!」という問い合わせが入ります。
「計算は間違っていません。こうした問い合わせがくるのを予想して事前に説明しなかったこちらの手落ちです」と内心思いながら、説明することになります。こうした問い合わせがあることは十分予想されていて、結果報告に併せて説明もしようと思いながら、数をこなすことに専念して、ついつい事前準備をせずに、後から説明をする羽目になります。
今年も、こんなことがありました。
「こどもが16歳になって扶養控除額も増えているはずだから、少なくとも去年レベルか、もしくはもう少し還付額が多いと思っていたのに、何で去年と比べて今年は少ないのですか? 計算間違いはないと思いますけど、もう一度チェックくしてもらえませんか?」という問い合わせが入りました。
年末調整業務は別の担当者とダブルチェックしているので、計算自体の間違いはありません。「必要な控除が適切に適用されているか」は確認していましたが、「去年と比べて還付額が多いか少ないか」までは見ていませんでした。
「こどもが16歳になって扶養控除額も増えている」という点は、毎月の源泉税額計算の段階ですでに考慮されています。所得控除金額自体は去年より多かったのですが、すでに毎月の控除額に反映されていました。
また、去年は海外から戻ってきて働き始めたのが3月からだったし、社会保険料の控除が1つ月遅れのため、3-11月までに控除された源泉税額が多かったのです。1年分の給料見積を10か月で控除していましたので、多く控除されるのは当然でした。
でも年末調整で還付されることを期待していた人にとっては、結果を見ると“間違いだろ!”と思い、説明を聞くと“がくッ”となりますよね。こちらの配慮不足でした。
<こんな方の年末調整での戻りは去年より少ないです!!>
(1)扶養家族としていた子供が扶養から外れるくらいアルバイトで
稼いでいた!
(2)奥さんが専業主婦だったが、年末前に離婚してしまった!
(3)住宅ローン控除の適用が前年までで終わっていた!
(4)前年海外から帰国して国内でもらった給与は12か月分出なかったが、今年は12か月であった!
(5)前年失業中の期間があり、年の途中で就職した。(↑上記(4)と同じ下構造です)
まだまだ他に原因がある場合もあります。あなたの期待は往々にして裏切られることもあると認識してください。会計事務所の計算は正しいです。
でも、疑問に思ったら、素直に聞いてみましょう。内心面倒だなと思いながらも、丁寧に説明してくれるハズですから。。。



